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リアルラック超マイナスな俺、VRゲームの中でぐらい幸運になりたい。〜幸運極振り弓使いの冒険〜  作者: めんだこ職人


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初戦闘-03

隆也と村を出て、二人でダラダラ話しながら歩くこと数分。

俺は視界の先に動くものを捉えた。


「なんかいた!」


「ん?あー兎ね」


俺と隆也が初めて出会った敵は可愛い兎の見た目をした奴だった。


「よっしゃ初モンスター倒すぞ!」


俺は意気揚々と弓を構えるのだが、途中で隆也に止められる。


「やめとけ」


「はー?なんでモンスター倒さないんだよ!」


「いや、だからあれは兎だって」


「......兎型モンスターってことじゃないの?」


「普通の兎、動物だよ」


どうやら俺が敵だと思っていた兎は敵モンスターなどではなく、ただ可愛いだけの兎だったらしい。


「なんで普通の兎いんの?」


気になったので隆也に聞いてみる。

だが帰ってきた答えはハッキリとしていなかった。


「うーん...女性プレイヤー増やすためとかじゃね?可愛い動物いたほうが人気出そうだし」


「ほんとかー?適当に言ってない?」


「いや適当だろ、そもそも俺だって詳しいわけじゃないっての」


そう言えばそうだった、隆也は謎に知識あるから聞いてたけど、コイツもさっき始まりの村出たばっかりの新人だったわ...


「まぁ普通の兎ってのは分かった」


「だろ?それに倒しても経k...「だが撃つ!」


俺はなにか言いかけていた隆也の言葉を遮り、前方の兎めがけて矢を放った。

弓なんて使うのは初めてなので狙いなどつけれず本来なら絶対に当たるわけがないのだが、ここで俺の高いLUK補正が入る。

俺が適当に放った矢は何故か真っ直ぐ兎に向かって飛んでいく。


「きゅーッ!?」


結果的に俺の放った的外れな射撃は兎に直撃した。


「うっし命中!」


「あー!お前やりやがったな!」


俺は無事に兎を仕留められたので、ステータスを開き経験値が入ってたりしないか確認してみるが、何の変化もない。

モンスター倒したのに何ももらえないのか?


「おい隆也!なんか経験値増えてないんだけど!?」


「だーかーら!俺言ったやん!普通の動物だから経験値入んね―ぞって!」


「そんなこと言ってた?」


「言おうとしたのに俺の言葉遮って攻撃したのお前だろうが!」


まじかよ...じゃあ今の兎は一体何のために...


「でもアイテムぐらいは落としてたり?」


兎だからな、肉とか皮とか落としててもおかしくないぞ!


「ところがどっこい、無いんですね〜」


「まじかよ...本格的に無駄死にやん兎」


兎が居たところに近づいてみるが、そこにはアイテムなど何もなかった。

あるのは兎のものだったと思わしき血痕ぐらいか...死体はなんか消えたっぽいな。


「てか、矢無くなったんだけど...」


「そりゃ矢は消耗品だからな、使えば無くなるだろ」


「え?じゃあ今の俺って10本しかない貴重な矢を消費して、何の徳にもならない愛玩動物を殺しただけってこと?」


「そうだよ、さっきからそう言ってるやん」


「......次からはちゃんと話聞くわ」


なんか...やっちまった感が凄い。

しかもこれ初戦闘...いやこれ戦闘って言って良いのか?


俺が一人で頭を抱えていると、隆也が声を上げる。


「おい、あそこに敵いるぞ」


俺はその言葉に直ぐ様飛びついた。


「どこどこどこッ!?」


「あれ」


隆也が指差す方を見てみると、草原を跳ね回る白い毛玉が見える。

てか、あれ兎じゃね?


「おいおい隆也、あれはただの愛玩動物だぞ?間違えるなんて阿呆だな、ハッハッハ。」


俺はさっき自分がやったことは取り敢えず棚に上げて隆也をからかってみる。

すると隆也は今度は俺の目を見て言った。


「あれは角生えてるから敵だぞ」


「はぁ?角ぉ?」


角がどうたらとか言うので、よく目を凝らして白い毛玉を観察してみる。

すると、その額に小さな角が生えているのを発見した。


「本当だ...」


え、じゃあ今度こそちゃんとした敵ってこと?

あれ撃っていい奴なん?俺が攻撃した後にやっぱただの兎だったわ(笑)みたいな事にならない?


「え?やらないなら俺やるけど?」


謎に深く考えて攻撃しようとしない俺を見て隆也が言う。

俺は慌てて返事をする。


「今やるから!」


弓を構え、しっかりと狙う。

狙いの付け方なんて分からないから適当だけど...


「そいやっ」


放たれた矢は真っ直ぐ角兎に向かって飛んでいく。

結構離れていたが、俺の射撃は正確に角兎を射抜いた。


「おぉ、極振りだとしてもすげぇな」


俺の圧倒的エイムを見た隆也がそう言ってくるが、俺はガチで適当に撃ってるのでステータスの補正がそれだけ凄いのだろう。

いやぁ、遂に幸運の神が俺に微笑んだってことだな。


「あれ、アイテムとか落としてるかな?」


「落としてるかもな」


「おけ!じゃあ回収だな!」


俺と隆也は俺が倒した角兎の死体の元へ歩いていくのだが...

なんか...速いな?アバターの身長差で歩幅変わってるってのもあるけど、足の速さが根本から違う気がする。

やはりこれも幸運極振の弊害か?絶対俺のAGIが0なせいだよな?

てか、移動速度にも関係するならAGI超重要やんけ!


「はぁはぁ...」


「おっ、毛皮落ちてる」


距離的には40mほどな筈なのだが、隆也に速度を合わせていると小走りになるのでそこそこ疲れる。

俺って、あらゆるステータスが低いから射撃以外カスなのかもしれん。


「毛皮は隆也がしまっといていいよ、多分俺無くすわ」


「いや、ゲーム内で無くすって概念ないだろ」


「おいおい、俺を甘く見るなよ?こちとら紛失王だぞ?」


「自分で言うなよ」


俺は結構物をなくす。

ていうか落とす、俺が落としたものは大体帰ってこない。

学校の教科書とかバックごと落として全部買い直す羽目になったぐらいだ。


「ま、リアルとは違うし平気だろ」


「確かに!」


「でも重量制限的にも俺が持っとくわ」


「重量制限?そんなのあったっけ?」


「あるぞ、確かSTRが低いと持てるアイテムが少なくなる仕様だったはず」


「0だとどれぐらいなん?」


「詳しくは知らん」


「まぁいいや、隆也が荷物持ちで解決だし」


「それもそうだな」


「てかさ、隆也は経験値どれぐらい入った?」


「2割ぐらい」


視界の隅に経験値を確認できるバーがあるので隆也に聞いてみたが、俺とはズレが有るな。

俺は3割ぐらい経験値入ってる。


「もしかしてトドメ刺したやつが多くもらえるのか?」


「差があるならそういう事なんじゃないか?そもそも俺は攻撃してないし」


「それは別に良いけど」


遠距離からの狙撃一発で死ぬ角兎一匹で3割も経験値が貰えた、まだレベル1とはいえ結構もらえてるし、頑張れば今日中に10レベとか行けるかも!


「じゃあ回収終わったし進むぞ」


「おっけ」


角兎との戦闘を終え、俺と隆也は再び歩き出す。

そしてここで気になったことを聞いてみる。


「そういや俺の弓はLUKで命中補正あるけどさ、魔法はなんか補正あるの?」


俺の武器である弓には2つの補正が存在している。DEXの精密補正とLUKの命中補正だ。

精密補正はその名の通りで狙ったところを狙える精密性が上がる。

そして命中補正は命中率が上がるのだが、あくまで命中率なので特定の場所を狙うといったときには補正がつかない。

そしてこれが弓職の特徴なんだが、ダメージ補正がないんだよな。

基本攻撃力は弓と矢のステータスで決まるから、ステータスで威力が変わらない。

クリティカルは乗るからそこの点で言えば幸運がダメージ補正代わりかもだけど...


こんな感じで俺は自分の武器についてはちゃんと調べてあるのだが、隆也が就いている魔法職の補正とか全く知らないからな、ちょっと気になったのだ。


「補正は勿論あるぞ、INTでダメージ補正、DEXで命中補正だな」


「え?隆也のDEXって確か0じゃね?」


「あくまで補正だし、自力で当てればいいだけだろ?」


「自力でって...どうやってだよ」


「近距離からブチ込めば確実に当たるじゃん?」


「思考回路が近接職のそれで笑う」


運任せと突撃魔法使いのコンビか...


「ゲームっぽくて良いじゃんね」


「急にどうした?」


「おっと、そんなことよりあそこに角兎いるぞ!」


「お!マジやん!俺の魔法見せてやるよ!」


隆也はインベントリから杖を取り出すと、それを方に担ぎ遠くに見える角兎めがけて走りだした。

遠目で見ているが、普通に杖で角兎を殴り殺してるなあれ...


「やっぱあれが魔法使いは無理あるだろ」


まだまだ次の村には着きそうにないし、もうしばらくこの平原を歩くことになるだろう。

新鮮な気分で楽しいし、ゆっくり進むとするかな。


弓職初期装備スペック


ボロい弓

耐久値200/200

ATK2


ボロイ矢

耐久値1/1

ATK5


なので初期の攻撃力は7ということになります。

当たった場所や敵の防御力で変動したりもするのでまぁこれぐらいか、ぐらいに留めといてください。

参考までに、普通の近接職の武器もATK5くらいです。

ダメージ補正が付くのでは実際はもっと高くなりますが。

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