お救いください お薬師様 第七話
常磐林蔵様が連載されている「宗盛記」の二次創SSです。
楽しむには「宗盛記」の知識が必須となります。
「読んでおいてほしい本編の話数」は下記となります。チェックいただければ幸いです。
宗盛記0100 永暦二年七月 豌豆瘡対策 から
宗盛記0105 応保元年十二月 帰京 まで
この連載は、プロットを作成の後、AIで文書化したものを推敲して仕上げています。
いままでは梟丸くん視点でしたが、この章は視点がしょっちゅう入れ替わります。
ご了承ください。
永暦二年 七月
町や村で流れる噂話
同じ内容が、少しづつ形を変えながら繰り返され、真となる。
【太宰府で豌豆瘡が流行 → 坂東に大将が来る】
「太宰府で、豌豆瘡が出たんだとよ」
「えっ、太宰府って九州だろ? なんで坂東が騒いでる?」
「豌豆瘡は風に乗るんだと。放っとくと、あっという間に広がるらしい」
「じゃあ、どうするんだ?」
「清盛様が、坂東で“大戦”をやると決めたそうだ」
「戦?」
「豌豆瘡相手の戦だとよ」
「大将は、平教盛様だ」
「清盛様の弟君か」
「志願して、左馬権頭を辞してまで来られたらしい」
「そこまで本気か……」
「副将には、清盛様の御子息が二人」
「宗盛様と、知盛様だって」
「宗盛様って、伊豆守だろ?」
「為朝を討って、伊豆で八千騎集めて騎射を催したって噂の」
「本気だな……これは」
「こりゃ、ただ事じゃないな」
「皆に知らせないと出遅れるぞ」
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【感染回復者を集める → 処刑? → 高賃金労働】
「聞いたか? 役所が“豌豆瘡にかかったことがある者”を集めてるらしい」
「え……集めて、どうするんだ?」
「隔離して、まとめて殺すんじゃ……」
「そんな噂もあるな……」
「いや、違うぞ」
「既にかかった者は、二度とかからんのだと」
「洗濯や看病、煮沸や消毒の下働きを頼むそうだ」
「日当は?」
「米、二升」
「二升!? 日雇いの倍じゃないか」
「年寄りでも、女でもいいらしいぞ」
「それなら、婆さんに教えないと損だ」
「隣村にも伝えろ」
「これは早い者勝ちだ」
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【検疫所設置 → 足止め → 家族を守るため】
「街道に検疫所ができたらしい」
「旅人を止めるんだと」
「商いにならんじゃないか」
「いや、発熱を調べるだけだ」
「熱があれば七日泊め置き」
「通せば、村に広がる」
「止めれば、家族を守れる」
「なるほど……」
「旅人を恨むな、病を止めると思え、か」
「役人も、よく考えてるな」
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【宿の煮沸消毒 → 面倒 → 宿代保証と高賃金】
「宿で、桶も布も、毎日煮沸しろだと」
「面倒だなぁ……」
「だが、宿代は国が払う」
「消毒の手間賃も出る」
「一日五升、五人分だ」
「五升!?」
「それなら、やらない理由がない」
「どこの宿も、必死になるな」
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【水運封鎖 → 商い止まる → 船は全て雇い上げ】
「港に船は入れるが、上陸は禁止だって」
「商いが止まるぞ」
「いや、船は全部、国が雇うらしい」
「石灰、酒、酒精、水飴の材料運び」
「貢納の米も、相模までは運ぶ」
「乗り手が回復した者だけならば、割り増しだそうだ」
「金になるじゃないか」
「船乗りに教えろ」
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【祈祷布と水飴 → 迷信? → 子供から広がる】
「坊さんが、水飴配ってるぞ」
「豌豆瘡は悪鬼の仕業だと」
「藍で染めた布で口を覆え、って」
「怪しいな」
「だが、手洗いと口すすぎは理にかなってる」
「布は毎日、熱湯で煮ろ、だと」
「合言葉は、オン・コロコロ」
「何だそれ」
「手を洗ったら、オン・コロコロ」
「人に会ったら、オン・コロコロ」
「迷ったら、オン・コロコロ」
「子供が覚えたら、家中で唱えるな」
「オン・コロコロって聞くと、やらないといけない気になるな」
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【隔離小屋 → 追い出し → 家族を守る場所】
「発熱者を、掘っ立て小屋に移すそうだ」
「追い出すのか……」
「違う」
「家族にうつさぬためだ」
「世話は、回復した者がやる」
「なるほど」
「村を守るための小屋か」
「そう聞けば、悪くない」
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【すべてを貫く噂】
「今回の対策、清盛様と教盛様、それに宗盛様が本気で仕切ってるらしい」
「金も人も惜しまんとか」
「伊豆では、それで豌豆瘡を抑えているそうだ」
「なら、坂東でも抑えられるな」
「信じて従えば、生き残れる」
「疑うより、乗ったほうが得だ」




