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青銅<黄銅<銅<銀<金<白金
昔のクッキーってすごい高そう
ただ、それはずっと後で良いはずだ。少なくともここで学んでいる間は要らない。もっというのなら、代わりに使えるような人物が現れない限りは故郷の方も何も言わないだろう。
だから、問題はここにある。お嬢様を見ればわかるが、基本的に彼女は1人でいることが多い。その上で領主と一緒でなければ住宅街からも出ることは許されないと来ている。今まで極端に過保護なのだから、きっとこれからもそうだ。だとすると、他の土地から来た婚約者も同様にあまり外界とは接触しないようにすることを求めるだろう。そうであれば必然、僕も疎ましく思われる。
僕が暗い考えをしている間に周りがにぎやかになってきた。どうやら商店街まで来たようだ。そこそこの広さの通りで露天商が見られ、近隣の都市や国から得たこの国にはないものを売っていたり、売り子が声を上げながらこの国にならどこにでもあるものを売っていた。僕は売り子たちの中で一際髪の紅い少女に声をかける。
「こんにちは。今日もいい天気だね」
僕がそう声をかけると彼女は「はあい」と、やや間延びした明るい声と営業スマイルでこちらへ振り向いた。
「あら、従者さんこんにちは。今日もクッキーかしら?」
どちらかと言えば、健康的に日焼けした肌と髪の様に紅い目は彼女が活発な少女であることを思わせ、クッキーのような嗜好品よりも野菜や薪の様な生活必需品を売っている方が似合っているなと失礼なことを思いながら僕は頷く。相手も男がクッキーを買うなんてと思うだろうしお相子だ。
「今日は3人分欲しいんだ」
そう言って、銅貨を2枚渡した。クッキーは2袋で銅貨1枚。いつもは黄銅貨3枚分のチップを少し多めの黄銅貨5枚。砂糖を使ったものの売買に税金の掛からないこの都市では、ワインや甘味料の値段が安く取引されている。替わりに砂糖自体の売買に許可が必要だがそれでも安い。子供のお小遣いとしては十分な量だ。太った鶏を1羽買えるだろう。
いつもより多めのチップを貰うと彼女は顔を綻ばせてふふーんと満足そうに微笑み、大きく膨らんだ袋を3袋、こちらへ寄越した。期限が悪い時は小さいとまではいかなくとも心もとない量だったりすることを考えると嬉しい限りだ。
「ありがとう」
「どういたしまして」
今日は本当に期限が良いようだ。どこに行くのかと聞くこともなくただ、返事だけをしてまた売り子の仕事に戻った。いつもより多いことを聞かれたら少し面倒くさかった身としてはありがたい限りだ。




