5-16.ミレナ再び
5-16.ミレナ再び
俊太郎達は、このところ、王女来訪や精霊に気づいたことで忙しくしていた。久しぶりに戦闘後に話しかけられた。かわいらしい高い声がした。
「シュン。」
ミレナが、穴から降り立った。
「来たよ。」
――シュンって。
俊太郎は、ロナウドやサミュエルが自分を呼ぶようにミレナが愛称を呼び捨てにしたのに苦笑いした。
「ロナウドさんちに行くのか?」
「うん!」
「あ、ミレナ。これなんだが…」
俊太郎はミレナに件の眼鏡を見せた。
「おー、精霊眼鏡だね。お前達ツノなしはこれがないと精霊を見ることが出来ないんだもんね?」
あっけらかんと言う。
「えっ?魔界のヒト達は、この眼鏡要らないの?」
「うん。当たり前だ。それがツノのある我々ヒトがツノなしより優位な所だよ。私たちは、ツノで魔力を探知したり、ツノに魔力を集めて使うのよ。」
――知らなかった。
俊太郎は、魔族のツノをてっきり鹿や山羊のように求愛や威信を表すものだと思い込んでいた。
「ツノなし達は魔法を使う時に手にツノを持つよね。」
「あ、それ杖だから…。」
俊太郎は思わず突っ込んだ。
「君たち魔界のヒトは、あのうじゃうじゃいる精霊が最初から見えてるの?」
「うーん?ゴブリンやコボルトは、何考えてるかわからない。でも、父上とか私は精霊が見えてるよ。普通に。精霊達は、すごく数が多い上に、魔界から魔素をどんどん持ち出して・・・。今、魔界は魔素が砂漠みたいよ。すんごく迷惑してるわ。」
「伯爵も苦慮されていると言ってたな・・・。魔素が足りないと、こっちに来たがる、こっちに来ると低級魔物は狂ってしまう。それで我々は駆除するが、領民を駆除されるのは魔界のヒトも困る、そういうことだったか?」
「ええ」
「それ、ロナウドさんに話してくれる?」
俊太郎は頼んでみた。
「うん?良いわよ。小父さん意地悪しないし、ツノなしも悪いやつとは限らないわね。」
「そうだな。」
俊太郎は頷いた。
「ーーそれにね、シュン。」




