5-7.呼び出し
5-7.呼び出し
翌朝、俊太郎の宿舎に、サミュエルが訪ねて来た。
「おはよう。シュン、起きてるか?」
昨晩、あれだけ騒いだのに、サミュエルは、つやのいい顔で白い歯を見せた。治った足を自慢げに見せてぴょんぴょん跳ねた。
「はい?サミュエルさん、おはようございます。」
俊太郎が顔を出すと、
「あの女騎士殿が少し早めに来てほしいんだとよ。全く、病み上がりなのに人使い荒いって。カッカッカ。」
サミュエルは笑い飛ばした。
「サミュエルさん、お怪我の方、もう良いんですか?」
「祈り入りのハイポーションな、あれすごいわ。ほら、見てくれ。歯形ももうない。今日は、俺も出撃する。朝メシ食ったか?着替えたら行くぞ。」
俊太郎は急いでパンを流し込んだ。サミュエルに促されるまま、早めに着くと、そこにはアビーがいた。彼女も昨日の宴会に来ていたはずが、今朝の目線は痛いほど鋭い。
――目を付けられちゃったかもしれないなぁ・・・。
俊太郎は頭をかこうとしたが引っ込めて、騎士の礼をした。
「アビーさん、おはようございます。」
サミュエルはさらりとあいさつした。
「おはようございます。副長、お怪我が治られて、安堵しています。」
鉄面皮だった笑顔が、サミュエルには口角を上げた。
「御足労だが、里見殿、少し、剣技を見せてくれないか。」
俊太郎もうなずいた。
「試し斬りでしょうか?それとも模擬戦ですか?」
アビーは静かに顎に手を当てた。
「そうだな。この竹箒斬ってみてくれるか?――私はお前の持つ、その『村霧』に興味がある。」
その時だった。
「待って!」
一同、声の主を振り返った。




