1-5. 入隊
1-5. 入隊
ーー何か、失礼なことをしたかな?
俊太郎は思い当たらず、ロナウドに怪訝な顔をされて、自分の立ち振る舞いを反芻した。
隊長は、浅黒く日焼けした中年だった。髪と目は茶色で、引き締まった体躯をしていた。
「ロナウドだ。隊長をしている。北畠先生には世話になっている。掛けな。」
通る声で言った。
「先生、こいつ・・・、穴の犠牲者の子供じゃねえですかい?」
ロナウドは俊太郎を値踏みするように見た。
「そうだ。俊介の子だ。」
北畠師匠は絞り出すように言った。
「そいつは・・・。嫌なことを聞いちまったな。すまん。」
「いえ・・・。父のようにやられぬよう、修行してきました。」
「人手は足りない。入ってくれた方がありがたい。が、お前に本当にゴブリンが斬れるのか?あるいは、魔物を見ても冷静にいられるのか?先生のお墨付きなら疑っては申し訳ないが、サミュエル、ちょっと相手してやれ。」
「俺を魔物だと思って、思い切り来な。」
サミュエルと言われた案内人は、竹刀を寄越し、自分も正眼に構えた。
ーー待っていては試験にならない。
上級者相手だが打って出ることにした。
サミュエルは、様子見といった所で、俊太郎の剣技を受けていた。
いなすだけでは不利と悟ったか、サミュエルが小攻撃を入れだした。ルイスとティエリという若手もいつの間にか見物していた。
その時だった、
「大変です!ゴブリンが湧きました!」
伝令が飛び込んできた。




