4-11.逃避行
4-11.逃避行
俊太郎はミレナの手を引いた。
「やばい、逃げよう!」
「ツノなしなんぞに、後れを取るか?」
ミレナはまだ自己主張している。
「町中で魔法を打つのは止めて。それこそ問題になる。」
――魔族が居たら悪いのか?
別に魔族を見たら通報するとか、魔族を見たら逮捕するとか、明確な決まりはない。曖昧な世界なのである。しかし、最近は穴が開いてゴブリンが湧き出てしまっているため、魔界大侵攻が来ると噂され、人族達は魔族という言葉に、アレルギー的嫌悪感を持つ者が増えつつあったのだ。
そのまま担ぎ上げ、走り出した。灰色のローブの男は3人になっていた。
「馬まで逃げよう。」
行きに乗ってきた馬を預け所に預けていたのだ。
「しつこい!!」
俊太郎は一人を峰打ちに倒して、また走った。鈍くミストがほとばしる。
まだ、二人追ってくる。
「任せろ!!」
ティエリが現れた。ルイスも見える。
「すまん。頼む。」
幸か不幸か、魔導師らは街中と言うこともあってか、魔法攻撃を放ってこなかった。それはミレナも同じである。
「警備隊を呼べ!」
もう一人の灰色ローブが声を出した。
「寝てくれ。」
どすんと、ルイスがみぞおちに入れて無力化した。3人目をティエリが転倒させると、二人も馬へ向かった。
「ずらかろう。事情を聞かれるのも面倒だ。ただし、俺たちは逆方向に行こう。」
「おう。」




