4-2.支え
4-2.支え
ミレナが穴から無事に帰還して数日。
お勉強や魔法の練習さえしていれば、母親やレフ爺、イリナも、あまりうるさく言わなかった。
ミレナは、手紙を取っては置き、置いてはまた掴み、掴んでは放り出していた。 イリナは目の端で追いつつも、一緒に遊んだり、勉強を教えたりと、敏感な所に侵入せずにただ温かく見守っていた。元々、目の覚めるような美女でもあり、ミレナはこの優しい姉のようなメイドが大好きだった。
「なあ、イリナ。読みたくない手紙が届いたらお前はどうする?」
ミレナは相談した。イリナは微笑んだ。
「そうですねぇ。怖い元彼の手紙とかは捨てちゃうかもしれませんよ。」
「うーん、捨てちゃいけないものならどうする?」
「読まなきゃいけないものなら、前の晩良く寝て、自分を守ってくれる人と一緒に、頑張って読むと思います。疲れた時のためにクッキーか、そう、お饅頭を用意しておきますね。焼き芋でも良いかもしれません。」
「焼き芋か!」
簡単に食べ物に釣られた。
「じゃあ、焼き芋とクッキーを明日用意してもらえるか?そして今日は早く寝よう。」
「かしこまりました。」
イリナはよく眠れますようにとカモミールティーを淹れた。
翌日――。
日課が終わると、ミレナはイリナに言った。
「イリナ、一緒にあいつの手紙を読んでくれないか。父上のことが書いてあったら、泣いてしまうかもしれない。」
「かしこまりました。」
イリナは、頼まれていたおやつを目の前に置き、そっと隣に腰掛けた。




