3-8.相まみえる
3-8.相まみえる
その日の魔物はコボルトだった。俊太郎を真ん中に、ルイスとティエリが脇を固めたセルは安定しており、次々とコボルトを粉砕した。
「お疲れさん!」
軽いノリのロビーがみんなを労うと、駆除隊も解散に入る。
鋭い投擲が俊太郎の側頭部に飛んだ。
俊太郎が思わず、頭を下げると、間髪入れずに2投目が来た。
ーーキン!
堅い音と、少量のミストと共に、俊太郎がクナイを弾いた。ルイスとティエリはうなずき合って少し先へ行った。
キン、キン、と弾くと、投擲主の方向が見定まった。隠れもしないでミレナがクナイを投げていた。
「この、ヒト殺しめ!」
びくん、と俊太郎が一瞬止まる。が、村霧を抜いて、刃を自分側に構えると走り出した。
投擲を交わしながら、懐に入ると、
「御免」
と言って再び、峰打ちをした。
そして、ぐったりしたミレナを穴に押し入れると、一礼した。
「あの子、また来てたな。」
昼を食べながらルイスが口火を切った。
「うん。」
「誤解による戦闘って分かってもらえないのかな?」
ティエリが言う。
「話す糸口がないんだ。」
「縛って、無力化して話すとか?」
「手荒な真似はしたくない。」
「向こうは命を狙ってるんだから拘束しても良いと思うけどね。」
「手紙でも書いてみたら?」
「受け取ってくれるか自信がない。」
「気絶させたらくくりつけておけば良いんじゃねぇの?」
「そうかもしれないが」
「いきなり峰打ちじゃ、伯爵とお前、やってること変わらんじゃんか。殺してないだけで。」
「・・・そう・・・かもしれない。」
俊太郎は、心を落ち着け、何かを変えるきっかけが欲しいともがいていた。
――伝わるかは分からないが、手紙は書いてみよう。




