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龍と刀  作者: 新堂 玄
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3-7.ミレナの修行

3-7.ミレナの修行


 ミレナがクナイを投げる練習をしている。

 メイドのイリナは戦闘力は殆どないので、練習場で水を補給するなどしている。騎士団員にでも見させた方が良いのだろうが、それはそれで、仇討ちに行くのがバレてしまうので、ミレナは、大抵の言うことは聞き入れて守ってくれるお姉さんメイド、イリナを相手にしていた。

 ボリス伯爵では、当主が不在となり、混乱していた。長男オレフはまだ13歳であり、当主になるには若かった。イヴァンの弟セルゲイが後見人になった。この二人は、イヴァンとは対照的に、実は、剣が苦手である。セルゲイは文官肌であり、オレフもイヴァンよりセルゲイに似ていた。セルゲイはオレフが未成年だからといって簒奪する気はないらしく、オレフが一人前の伯爵になれるよう、伯爵家に常駐してはオレフを導いていた。

 魔王領はそれほど厳格に法を適応しないのか、オレフもその内跡が取れるだろうと言う雰囲気で、所領を安堵されていたが、オレフはイヴァンのやっていた仕事の多さに目を回しており、セルゲイやじいやもかかりきりであったためミレナはほったらかしにされていたと言える。


「私だったら色仕掛けしてから、寝ている間にブスリとやりますけどね」


などと物騒なことをいうが、10歳のミレナにそんな高度な技も出来ようはずがない。


――私が敵を討つ


と決めた時点でイヴァンの血を最も濃く受け継いでいるのはミレナかもしれなかった。


そして、腹の傷も癒え、的に9割くらい当てられるようになった時、ミレナは行ってきますとも言わずに、穴の向こうへ消え去った。イリナは目の端で捉えていたが、何も言わずに肩をすくめたのだった。

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