3-6.目覚め
3-6.目覚め
「いつつつっ」
目が覚めると、天蓋がある。屋敷のベッドだ。
ミレナは強打された腹にきしむような痛みを覚えた。触ると包帯がしてある。
「お目覚めになりまして?」
20歳くらいの若いメイドが声を掛ける。貴族屋敷より夜の街が似合いそうな、妖艶な雰囲気の女性である。
「イリナ・・・。私・・・。」
「穴付近で気を失っておられたので、お戻り頂きました。」
「イリナが?」
「いえいえ。この通り非力ですから。じいややみんなに運んでもらいましたよ。」
「あ・・・。」
ミレナは無防備な姿をじいややみんなに見られたと思い、真っ赤になった。
「敵討ちにいらしたのですか?」
「ぐ・・・」
痛い所を突かれてミレナは言葉に詰まった。
「父の敵のヒト殺しを見つけたんだ!!」
「そう・・・でしたか。でも危のうございます。イヴァン様を討った腕前なのでしょう?」
「父の方が強かった!圧倒していた。精霊さえ邪魔しなければ、あの者の首が取れていたんだ!!」
「はい・・・。」
イリナは睫毛を伏せた。
「でも、伯爵の剣戟を数合耐えられて、ノイズのおかげとはいえ、勝ってしまったほどの使い手なんですよね?ミレナ様が倒せるとは思えませんが?」
「兄上も腰抜けで、剣がへなちょこだ。私がやらなきゃ敵討ちが出来ないじゃないか。」
「ええ・・・。それはそうかもしれませんが。危のうございます。」
「止めるなよ。また行くんだからな。」
「はいはい。でも、刃の方で討たれていたら、ミレナ様はとうに真っ二つになっていたのでは?」
「あ・・・。」




