3-1.敵討ち
3-1.敵討ち
「ま、落ち着いたんじゃねぇの?」
サミュエルは、報告などもあるのか松葉杖で詰所に出てくることがある。隊長代行のロビーに俊太郎の様子を告げていた。
「・・・なら、良いんだが。」
ロビーも、息を吐いた。この期に及んで俊太郎にまで欠けられては、たまらない。
やがて訓示が終わると、今朝も駆除隊は出撃した。今日の魔物はコボルトだった。俊太郎は、槍を持つ手を叱りつけながら握っていた。いくさ場には出られたが、ルイスとティエリに支えられてやっとという体だった。
「うふふふ」
また笑い声が聞こえた。瞬間、ロビーが固まった。
「危ない!!」
ロビーの足首を咬もうとしたコボルトを、ロビーの左翼にいたフィルが槍で突いた。
「助かった。」
ロビーはすぐ復帰した。
危険もあったが、その日は負傷者なく駆除を終えた。
「終わった終わった。帰ろうぜ!」
ルイスが切り上げようとした時だった。
ヒュン。何かが飛んだ。俊太郎の頬から一文字に血が垂れた。
二撃目が来た。ルイスが抜刀して、飛翔物をはねのけた。ルイスが抜かなければ、俊太郎の顔面に刺さっていた。俊太郎は尻餅をついた。
「賊だ!!」
ティエリが投擲者の方を見た。そこにいたのは、目の大きな女の子だった。
血走った目を怒らせて、殺気を隠そうともしない。正面から俊太郎を睨み下ろすと、
「この、ヒト殺し!!」
と叫んだ。
「ちがうんだ・・・」
俊太郎は口をパクパクさせていた。
「シュン、真っ青じゃねえか。誰だこいつは?デートのお誘いにしちゃ、お転婆すぎねぇか?」
「ミ・・・レナ」
その子は、
「ふん!!次は必ず殺してやる。」
というとさっさと穴から向こうへ消え去った。




