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2-5.狂気
2-5.狂気
ドスンと落ちると、そこは石畳の道だった。ゴブリンは、ゲギ、ゲゴ、とうなり声を上げていたが、すぐに別の方に何かを見つけた。手は震え、ヨダレを垂らしていた。やがて、かつて聞いた甲高い声を上げると、何かに向かって走り出した。
――いやあああ
5年前の母の悲鳴が俊太郎の中に去来する。ゴブリンがメスを見つけた時の声である。その先にいたのは小さな女の子だった。
「まずいぞ。」
俊太郎は、あの日のトラウマ以来、女性が襲われる際に、ギアが上がる。
「あ、ゴブリン。どうしたの?」
かわいい声で話しかけるが、ゴブリンは今にも女の子に覆い被さろうとしていた。
ーー間に合わん。
俊太郎は、駆けつけると、ゴブリンを蹴り飛ばした。・・・はずだった。
「ゲギャ!」
察知したゴブリンが体を入れ替えたため、女の子を蹴り飛ばす形になってしまった。
「やばっ!」
「ミレナ!」
男の声が近づいてくる。
転がった女の子を追おうとするゴブリン。明らかに目が血走り、女の子を襲うべく手を伸ばしていた。俊太郎は躊躇なく、その首を切り飛ばした。
ーーその時であった。




