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16/18

日曜日後編 楽しい時間はあっという間だけど……。


「ねぇ、家の中ばっかりじゃなくて、ぱ~っと外に出ない?」

「え~、私はいっしょにゲームとかがいいんだけどな~」


 普段の私の休日の過ごし方といえば、ゲームかアニメの一気見。


「たまには外で過ごすのもいいものだよ、とくに休日家からでない柚にはね」

「う~ん」

「シャルもいいと思うです、一緒に行きましょうユズキ!」

「ほら、シャルちゃんもこう言ってることだしさ」

「じゃ、じゃあ~」

「今度は三人でジョンの散歩にいきませんか?」

「えっ!? ジョンの散歩? 行く行く~」


 めずらしくはしゃいでる里香。そういえば朝の散歩一緒に行きたかったって言ってたな~


「で、どこいくの?」

「行き当たりばったりでいいんじゃない、風の吹くまま、気のむくまま。な~んてね」

「フーテンの里香さんか」

「Oh~、フーテンってなんですか?」

「あ~、それはね……」


 外出先でそのまま解散したほうがよさそうなので帰り支度をする、さいわい荷物といっても一日分、普段の教科書の入ったカバンと大差はない。


「「おじゃましました」」

「また、遊びにいらっしゃいね」

「ケイトさん、色々とお世話になりました」

「あの、朝ごはんおいしかったです、ありがとうございました」

「い~え~、どういたしまして~」


 昨日私たちを迎えてくれた時と同じ優しい笑顔。


「ユズキ、リカ、行きましょう~」

「シャルちゃん、最初あたしがリード持ってもいい?」

「いいですよ!」

「あっ、次は私ね」


 三人で交代しながらリードを持つことに、ジョンは決してひっぱたりせず、常にリードを持った人の横を歩いた、本当にできたわんちゃんだ。


 最初にやってきたのは神社。私が本殿、ふたりがお狐さまをスケッチしたあの場所だ。


「そういえば柚が描いた絵、特選に選ばれてたね」

「自分でも驚いたよ~」

「ユズキ、とっても上手だったです」

「ありがとう~、シャルちゃん!」 


 あの日は、途中で雨が降ってきた、それでも絵を描き続けたせいで、体調をくずしてしまい、翌日は学校を休むはめに。その日に見た悪夢は、私にとってこれ以上ないくらいつらく悲しい物だった、今思い出しても涙があふれそうになる。優子お姉ちゃんが来てくれなかったら、どうなっていただろうか……。たぶん、不安と心細さで何も口にできず、風邪も長引いていたと思う。


 ……………………。


「お~い柚!」

「へ!? あ、あれ?」

「何ボ~っとしてんのさ」

「考えごとですか?」


 それと、次の日にふたりが迎えに来てくれたのは、心のそこから嬉しかった。


「ううん、なんでもない」


 せっかくなので、今日は前に来た時よりもずっと上の方までいってみることに。


「あっ、あれ見て! 天狐さまおみくじだって」

「へぇ~、こうゆうのもあるんだ」

「Oh~可愛いです」


 手のひらサイズの白狐が巻物をくわえている。巻物の色は青、赤、黄、白、黒の5種類あるようだ。


「私はこの黒の巻物」

「あたしは~赤かな」

「シャルは青色にするです」


 それぞれ好きな色を選んで購入し、巻物を開いた。


「今回は吉か~」

「あたし中吉~」

「Oh~シャルは大吉です」

「はぁ~、結局また私が一番運が悪いってことか~」

「まぁ~、あの時は凶だったんだし、だいぶ上がったじゃん」

「そういえばさ、吉と末吉、どっちが上なんだけ?」

「それは~、どっちだっけ? 調べてみるね、え~と、あれ、大吉の次が吉なんだって~」

「えっ、中吉じゃなくて?」

「場所によってちがうみたいだけど、基本的にはそうらしい、大吉はこれ以上あがらないから、吉が最も良いとされる、だって」

「じゃあ今回は、私が一番運が良いってこと?」

「そうなるね~」

「良かったですねユズキ」

「うん!」


 最後はちゃんと参拝して、神社をあとにした。そして、次に私たちは公園にやって来た。


「あっ、ジェラートまだ売ってるみたい、里香何がいい? 今日は私がおごる」

「Oh~今日はシャルがおごりたいです」


 以前一緒に来た時、私とシャルちゃんは里香におごってもらった。


「このまえのことなら気にしなくていいよ、あたしが勝手にやったことだし」

「そういうわけにはいかないよ~」

「いかないで~す」

「そう? じゃあ~、お言葉に甘えようかな」


 というわけで里香の分は、私とシャルちゃんで半分づつ出し合う。時間帯が夕方だったこともあり、私たち以外ほとんど人はいなかった。


「それにしてもこのブランコ、こんなに小さかったっけ~」

「あたし、立ちこぎ好きだったな~、けっこうスピードでるんだよね」

「シャル、小さい頃は立ちこぎちょっと怖かったです」

「そうだったね」

「そういえばジョンは……。あれ何やってるんだろう?」

「ひらすら穴をほってるね、犬って、やっぱ穴ほりとか好きなのかな~」

「あれだね、たまにテレビでやってるおもしろアニマル特集みたい」

「あ~わかる」

「ジョン! おいで~」


 シャルちゃんがフリスビーを見せながら呼ぶと、尻尾を振りながら駆け寄ってくる。


「ユズキ、投げてみてください」

「う、うん。いくよ~ジョン、それ!」


パシッ!


「すご~い、ナイスキャッチ!」

「あたしもやりたい!」


 休日にこんな体を動かしたのは久しぶりだった。


「ちょっと休憩~」

「はや!?」

「ふぅ~、インドアの私にしては、がんばったほうだよ~」

「ユズキ、飲み物ありますよ」

「ありがと~、シャルちゃ~ん」


 そして気がつくと、そろそろ帰った方がいいかもと思える時間帯に。休日がもうすぐ終わってしまう、そう思うとやっぱり切ない。


「はぁ~あ、明日からまた学校か~」


 溜息混じりにそう言うと、


「Oh~、シャルは学校も好きですよ、ユズキとリカがいてくれます、一緒に学園生活が送れて、とても楽しいです」


 シャルちゃんが笑顔で私に寄りかかる。


「あたしも、すごく楽しい。柚はちがうの?」


 反対側から里香も寄りかかってくる。


「も、もちろん私も楽しいよ~」


 授業とかはあれだけど、でも、一つだけ確かなことは……。


「じゃあ、そろそろ帰ろっか?」

「待って~、もうちょっとだけこうしてたい」

「Oh~シャルも」

「しょうがないな~」


 ふたりが一緒なら、これから先も楽しいことの方が多いはずってこと。

ここまで読んでいただいてありがとうございます! 

物語はここで一区切りつきましたが、今後も学校行事や夏休みなど、

○○編という形で連載を続けます、なので完結扱いにはしません。

ただストックがなくなったので、今後の投稿は不定期になります。

加えて私は、執筆速度かなり遅いです。


別サイト『ノベルアップ+』では挿絵コーナーも作っています!

※こちらでも同じように投稿しておりましたが、あまり閲覧されておらず、

『小説家になろう』では本編のみの投稿にしました。


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