土曜日前編 待ちに待ったお泊まり会じゃ~い!
今日はずっと楽しみにしていたお泊まり会当日。先に家の前で里香と落ち合い、一緒にシャルちゃんの家に向かっていた。
「楽しみだな~、昨日は興奮して寝れなかったよ~」
「遠足前夜の小学生か?」
「え~、里香は楽しみじゃないの?」
「もちろん、すごい楽しみ!」
「だよね」
シャルちゃんの家が見えてきた。
「ねぇ、里香見て」
「あっ、シャルちゃん」
玄関の前でシャルちゃんが待っている。なんだかソワソワしてるみたい。
「「シャルちゃ~ん!」」
「Oh~ユズキ、リカ~」
私たちに気づいて笑顔で手をふる姿がなんとも可愛いらしい。
「やっほ~、来たよ、シャルちゃん」
「待ってたです! 中へどうぞです」
「「おじゃましま~す」」
家の中に入ると、シャルちゃんと同じブロンドヘアーの女性が出迎えてくれた。
「ふふっ、いらっしゃい、よく来てくれたわ」
「ユズキ、リカ、紹介するです。ケイト・テイラー、シャルのお母さんです」
どことなくシャルちゃんに雰囲気が似ている。
「おじゃまします、今日はお招きいただき、ありがとうございます」
「あなたがリカちゃん? シャーロットからあなたの事聞いてるわ。しっかり者で、困った時はいつも助けてくれるって」
「いえいえ、そんな」
「そして、あなたがユズキちゃんね」
「あ、はい」
「ちょっぴり恥ずかしがり屋さんって聞いてるわ、いつもシャーロットと仲良くしてくれてありがとう」
ケイトさんはふんわりとした雰囲気で、とても優しそうだ。
「ふたりとも、自分の家だと思ってくつろいでね」
「「ありがとうございます」」
「ユズキ、リカ、さっそくシャルの部屋に案内するです」
「シャルちゃん、ジョンは?」
「ジョンなら、シャルの部屋にいますよ」
「やっと会えるんだ~」
シャルちゃんに連れられて、二階の部屋までやってきた。
「ここがシャルの部屋です。ジョン!」
シャルちゃんが呼ぶと尻尾をフリフリしながら駆け寄ってくる。
「この子がジョンか~」
「わぁ~可愛い! ねぇ、なでてもいい?」
「はい、ぜひなでてあげてください、ジョンも喜びます」
さっそく頭をなでてみる。
「はぁ~、モフモフ~」
「私も私も~」
すごくおとなしい。
「ジョンってお手とかできるの?」
「できますよ」
「じゃあ~、ジョン、おすわり! お手!」
ジョンは慣れた感じで、ちょこんと私の手のひらに前足を乗せた。
「すっご~い、いい子~」
今日はじめて会ったのに、ちゃんとこたえてくれる。
「えっへん、ジョンはとってもいい子なんです!」
誇らしげに胸を張るシャルちゃん、ジョンをほめられて自分の事みたいに嬉しそう。その後しばらく、私たちはジョンとたわむれていた。
「あっ、柚、シャルちゃん、そろそろ買出しいこうか」
「そうだったね、行こう!」
「Oh~、一緒にショッピングです」
「ジョン、またあとでね~」
そんなわけで、私たちは近くのデパートにやってきた。今日はケイトさんが、パイを焼いてくれることになっていて、入れたい具材を買いに来たのだ。
「ねぇ、ちょっとだけゲームコーナー行かない?」
「う~ん、まぁ、ちょっとだけにしなよ」
「うん! いこうシャルちゃん」
「ハイ」
でもその前に、少しだけゲームコーナーへ。
「あっ、ワニワニパニック! ねぇ、一勝負しない?」
「いいよ! これやるのひさしぶりだな~」
「Oh~、負けないで~す」
私もこれやるのは何年ぶりかな、久しぶりにやるとけっこう楽しかった。結果、私とシャルちゃんはほぼ同点。一方里香の方は……。なんか最高得点たたき出しちゃってる。
「ちょっと、むきになりすぎたかな~」
「リカ、すごいです」
「ワニ全滅だね」
勝てるとは思ってなかったけど、まさかここまでとは。
「じゃあ、次は~」
「ユズキ、UFOキャッチャーできますか?」
「うん、けっこう得意だよ~」
「これ、取ってほしいです」
「えっ、なになに~」
シャルちゃんが指差した先にあったのは、ジョンにそっくりなぬいぐるみ。眠そうにとろ~んとした表情がとても可愛い。
「おお~、これはなかなかの大物だね~」
「むずかしいですか?」
「大丈夫、私にまかせて! なんとかやってみる」
さすがに一回では取れなかったが、少しづつずらしていき五回くらいで取ることができた。
「はい、シャルちゃん」
「Wow, that's amazing! ありがとうですユズキ~」
嬉しくて私に抱きついてくるシャルちゃん、この笑顔のためなら、なんだってできる気がする。その後も、これはいけるかもと思うのをいくつかやった。積み上げられたお菓子が盛大にくずれるのがたまらない。
「たいりょう~、たいりょう~」
店員さんが困ったような顔してた気がするけど……。うん、きっと気のせいだ。
「さぁ、そろそろ食品コーナーに行くよ」
「あっ、じゃあ次でラスト、これだけおねがい」
最後に三人でプリクラをやることに。
『画面中央を見てね!』
「里香、もうちょっとくっついて~」
「こ、こう?」
『ハイ、チーズ! カシャ』
『もう1枚いくよ!』
「どうする?」
「3人でハート作ろう」
『ハイ、チーズ! カシャ』
落書きで、各々メッセージとか色々書き込んだりした。
「ふたりとも満足した?」
「ハイ、大満足です」
「私も~、里香も楽しかったでしょ?」
「うん、まぁね」
三人でめいっぱい楽しめた。
というわけで、そろそろ本来の目的だった買い物に。けっこう品揃えが多くて、迷ってしまう。
「よし、各自おかず系、スイーツ系を二個づつくらい選んでみよっか」
「だね~、このまんまじゃ埒が明かないし」
「OK、そうするで~す」
「じゃあ、一旦解散! 三十分後、ここに集合ね」
「「は~い」」
店内を色々見回っているが、なかなか決まらずにいた。
「う~ん、どうしようかな? どうせならふたりが思いつかないようなものを、まぁ、おいしそうっていうのが前提だけどね~」
───三十分後
「じゃあ、まず柚から」
「私は、チョコとカスタード、後はビーフシチューとツナ」
「シャルちゃんは?」
「シャルはイチゴ、オレンジ、それとポテト、スイートコーンです」
「どれもいいね~」
「そういう里香は?」
「あたしはおかず系にソーセージとトマトピューレ、甘い系はカボチャとあんこ」
色んな物が出揃った。後はこれに定番物や、付け加えたら良さそうなものを三人で選ぶことにする。
「柚、ビーフシチューってことはポットパイだよね、クリームシチューも買っとこうよ~」
「そうだね。里香、トマトピューレあるんなら、とろけるチーズもあったほうがいいんじゃない」
「ピザ風味になるね、うん、それ採用!」
「シャルちゃんは、なんか追加したいのある?」
「そうですね~、ホイップとあんこの組み合わせもいいと思うです」
「いいね~、ホイップどらやきみたいでおいしそう」
定番のアップルパイとミートパイの材料も買っておく。
「これだけあればいいかな?」
「はい、生地は用意してくれてます、マムすごく張り切ってたです」
「楽しみだな~、早く食べたい!」
「じゃあ帰ろうか、下ごしらえとかもあるだろうし。そうだ、良い機会だからあたし作り方教えてもらおうかな~」
そんなこんなで、私たちはデパートをあとにした。
「「「ただいま~」」」
「おかえり~、色々買ってきてくれたみたいね。じゃあ張り切って作らないと!」
「あの、あたしたちも手伝っていいですか」
「あら、手伝ってくれるの?」
「はい、作り方とか、色々参考にできたらなって」
「たすかるわ、うちのレシピでよければ教えてあげるわね」
ちょっとした調理実習みたい。
「リカちゃん普段から料理してるの? 手際がいいわね~」
「あたしの家は、晩御飯とか当番制なんです」
ケイトさんは、パイの準備をしながら、夕食の準備もやってくれている。
「さぁ~、後は焼くだけね」
「マム、ユズキは出来たてを食べたことないみたいです」
「あら、そうなの?」
「あっ、はい」
「じゃあ、ディナーの時に、ちょうど出来上がるようにしておくわね」
「ありがとうございます、楽しみです」
「ユズキ、リカ、ディナーまで時間があります、よかったら家の中案内しますよ」
「探検みたいで楽しそうだね」
「Oh~じゃあ、シャルが隊長です! ふたりともついてきてください」
「「了解! シャル隊長」」
シャルちゃんに家の中を色々と見せてもらった、途中からジョンも一緒に。
「じゃあ、ジョンは副隊長だね」
「隊長、次はどこですか?」
三人ともすごくノリノリだ。
「ここがバスルームです」
「うわ~、けっこう広いね~」
「はい、これなら三人一緒でも大丈夫です」
「い、一緒に?」
「だめ、ですか?」
「うっ、ううん」
「わ~い、やったです」
(そんな顔されたら、断れるわけないじゃん)
一通り案内してもらって、シャルちゃんの部屋に戻ってきた。




