第10話 食いしん坊じゃないもん
アカリもお友達と活動することが増えてきました。
『いただきます!』
一斉にお弁当に手をつける。
さて。まずは里奈お姉ちゃんのサンドイッチからいただこう。うん、美味しい!
わたしはタマゴサンドが一番好きだ。
「そういえば、スープいる?」
「いるー!」「私はいいかな」「俺らももらっていいか!」
熊さんの中に入っていたコップを空間魔法で複製して出す。便利だね、魔法。
さらに熊さんからスープが入った水筒を取り出してコップに注いで行く。まだスープは温かいままだ。
スープも好評。
次はミーシャの野菜炒めに手をつける。ん、美味しい!ピリ辛な風味でサンドイッチが進む。
「ミーシャ、美味しいよ!」
「ありがとぉ~」
さて、今度はシーナの卵焼き。
ん、卵がふわふわ。ほのかに甘味もある。
「お、アカリ、気付いた!?その卵焼き、隠し味に蜂蜜入れてるんだってさ!」
蜂蜜!こっちにも蜂蜜あるんだ。里奈お姉ちゃんに教えてあげよっと。
さてさて、今度はお肉。…お、甘辛く味付けされていて美味しい。
「ねぇねぇ、皆さんはどこで知り合ったんですか?」
「あ、それあたしも聞きたい!」
「えーとね、私達は同じ師匠の弟子なんだよ」
「えっと、しばらく前に行くところのないみんなと出会ったんですが、そんな私達を拾って弟子にしてくださったのが私達の師匠、ナツカ様なんです」
「そっからそのナツカ様に色々教えてもらって、冒険者になったって訳さ」
「色つき悪魔としてね!」
「へぇ……!」
陽気な朱さん。冷静な蒼さん。しっかりした感じの緑さん。にぎやかな白さん。淑やかな桃さん。頼れる感じの黄さん。みんなを纏める黒さん。素晴らしいバランスだ。
でも、なんか『ナツカ』って日本人にありそうな名前。『夏華』とか『夏花』とか?
話を聞きながらシーナのシフォンケーキを頬張る。ムグムグ、ふわふわでおいしー。
続いてマーサのフルーツポンチ。ん、爽やかでこちらも美味しい。
と、朱さんがこちらをじっと見ている。
「………お前、食いしん坊だな」
「んなっ!?乙女にむかってそれはひどいですよ!」
「「「「アカリはよく食べますよ」」」」
おっと、どこかで認識が食い違っているらしい。
「いや、美味しいから食べちゃうんだよ!わたしが食いしん坊なんじゃなくて!」
「わ、私もそう思います!」
「お、ウチの食いしん坊が出たぞ」
桃さんだ。控えめで気弱な感じの桃さんが食いしん坊とか、以外すぎる!!い、いや、わたしは食いしん坊じゃないからね!
「美味しいものは美味しいときに食べられるだけ食べないとだめです!いつでも美味しいものも食べられるときに食べられるだけ食べないとだめです!なので、私はその食欲に従っているだけで、別に食いしん坊じゃないです…!」
「素晴らしいです桃さん!!」
通じ合った私と桃さん。
そんなわたしたちをよそに。
「ねぇ朱さん!あたしも魔法、使いたい!」
「私も!」「あたしも!」
「ふむ………。なぁ、皆。どう思う?」
「資質はみんな感じる。アカリはいうまでもないか」
と緑さん。
「ラーヴェちゃんもいい感じじゃない?」
と白さん。
「明日は空いてるから教えられるだろ。お前ら空いてる?」
「大丈夫!!」
「よし、じゃあ俺らの師匠に連絡とってみるよ」
「ナツカさん?」
「そうそう」
さっき聞いた人だ。その人に教えてもらえるのかな!
「私達がナツカ様のところまで案内するから、明日の水の鐘がなるころに、冒険者ギルド前に集合でどう?」
水の鐘は8時くらい。
「大丈夫です!」
マーサがキラキラした瞳で答える。楽しみなんだね。
「じゃあ、明日は魔法な。持ち物は、弁当、水筒、筆記用具等々。しっかり休んでこいよー」
そんなこんなで、明日は色つき悪魔のお師匠さん、ナツカさんに魔法を教わる事になった。
楽しみ!




