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負けヒロインの別れ話の現場を目撃したら懐かれて困っています。  作者: 雨夜 フレ


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6/25

ぼっちのメンタルを鋼か何かだと思ってるの?

人はなぜ食すのか……


「もぐもぐ」


なぜ人の分まで食べていくのか。


「食べないの?もらうよ?」

「あのね、今、僕は三枝さんがなぜ食すのか考えて……」

「あーん」


僕のから揚げさんが……


「なんで食べたの?」

「え、だって長かったし?」


説明になってないじゃないか…


「はあ、なんでそんなに食べるの?太るよ?」

「む、それは女性に言ってはいけないランキング一位だよ?もう、本当に佐藤君だよね」


佐藤君は悪くない。

絶対。


「そもそも、なぜ食べるのかは人類全体のテーマだよ佐藤君。食すとは欲を満たし癒してくれて……」


しまった地雷踏んだ。

なんか熱弁してる…


「春香!!」


ちょうどいいタイミングで西村君が来た。


またいきなりだな……


「また……今度は何?謝罪はいらないよ?」


「そうじゃなくて!」


何故か彼は俺をにらんでくる。


「お前!」


胸ぐらをつかまれる。


「え?なに?」

「聞いたぞ?お前、春香の傷心につけこんで付き合ってるのか?」


聞いた?ああ、三森さんか……

なんて余計なことを。


そもそも、付き合ってる?

なぜに?


この僕のごはんを奪っていく小動物さんと?

ナゼニ?


「ちょっと!」


三枝さんが間に入って彼を引き離してくれる。

助かった…


いや、僕だって全力を出せば引き離せたよ?

でも、三枝さんがね?

ね?


「春香はこいつがいいのか!?」

「そういう問題じゃないでしょ」

「そういう問題だ!」


彼は頑固だった。

そこに亀裂を入れる。


「それは自分の大切な人がとられるから嫌だから?」

「!?……だったらどうだってんだよ?」


彼は強く僕を見下ろす。


「身勝手だよね?ね、三枝さん」

「うん。身勝手だよ。捨てたのはあなたでしょ?」

「いや、俺は…」

「捨ててないっていうの?」


彼は何も言わずただ強く手を握っていた。

屋上の空は晴れている。いい天気だ。

早く終わらそうか……


「西村君は捨てたんだよ。だから彼女に何の言う権利はないよ」

「そ、それでも俺は!」

「大切なら別れてないでしょ?」


それがとどめだった。


彼は静かに去っていく。


「はあ、三枝さんといると寿命が縮むよ……」

「え?減るものなの?」

「いや、比喩だけどさ」

「なら、いいじゃん」


よくないが?


「それに佐藤君ならその程度で縮まないでしょ?」

「え、なんで?」

「だってぼっちだし」


君はぼっちのメンタルを鋼か何かだと思ってるの?


「それに、佐藤君気にしてないでしょ?」

「まあ……」


確かに彼らのことは気にしてない。

三枝さんが強すぎて彼らは霞むし。


「でも、それとこれとは……」

「あーん」


ああ、僕の最後の一つだったから揚げさんが……


「どうして食べたの?ねえ?」

「むしゃ!むしゅむしゃむしゃ!!」

「うん…もういいや」


食べながら何か言ってる彼女に呆れて僕はあきらめる。

彼女は飲み込み僕に告げる。


「佐藤君から揚げさんは食テロなんだよ!」

「え、急に熱弁……」

「つまり持ってきた君が悪い!」

「ええ……」


なんて暴論だ。


「だから、また奢ってね?」


結局言いたい事それね…



読んでいただき、ありがとうございます。

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