ぼっちのメンタルを鋼か何かだと思ってるの?
人はなぜ食すのか……
「もぐもぐ」
なぜ人の分まで食べていくのか。
「食べないの?もらうよ?」
「あのね、今、僕は三枝さんがなぜ食すのか考えて……」
「あーん」
僕のから揚げさんが……
「なんで食べたの?」
「え、だって長かったし?」
説明になってないじゃないか…
「はあ、なんでそんなに食べるの?太るよ?」
「む、それは女性に言ってはいけないランキング一位だよ?もう、本当に佐藤君だよね」
佐藤君は悪くない。
絶対。
「そもそも、なぜ食べるのかは人類全体のテーマだよ佐藤君。食すとは欲を満たし癒してくれて……」
しまった地雷踏んだ。
なんか熱弁してる…
「春香!!」
ちょうどいいタイミングで西村君が来た。
またいきなりだな……
「また……今度は何?謝罪はいらないよ?」
「そうじゃなくて!」
何故か彼は俺をにらんでくる。
「お前!」
胸ぐらをつかまれる。
「え?なに?」
「聞いたぞ?お前、春香の傷心につけこんで付き合ってるのか?」
聞いた?ああ、三森さんか……
なんて余計なことを。
そもそも、付き合ってる?
なぜに?
この僕のごはんを奪っていく小動物さんと?
ナゼニ?
「ちょっと!」
三枝さんが間に入って彼を引き離してくれる。
助かった…
いや、僕だって全力を出せば引き離せたよ?
でも、三枝さんがね?
ね?
「春香はこいつがいいのか!?」
「そういう問題じゃないでしょ」
「そういう問題だ!」
彼は頑固だった。
そこに亀裂を入れる。
「それは自分の大切な人がとられるから嫌だから?」
「!?……だったらどうだってんだよ?」
彼は強く僕を見下ろす。
「身勝手だよね?ね、三枝さん」
「うん。身勝手だよ。捨てたのはあなたでしょ?」
「いや、俺は…」
「捨ててないっていうの?」
彼は何も言わずただ強く手を握っていた。
屋上の空は晴れている。いい天気だ。
早く終わらそうか……
「西村君は捨てたんだよ。だから彼女に何の言う権利はないよ」
「そ、それでも俺は!」
「大切なら別れてないでしょ?」
それがとどめだった。
彼は静かに去っていく。
「はあ、三枝さんといると寿命が縮むよ……」
「え?減るものなの?」
「いや、比喩だけどさ」
「なら、いいじゃん」
よくないが?
「それに佐藤君ならその程度で縮まないでしょ?」
「え、なんで?」
「だってぼっちだし」
君はぼっちのメンタルを鋼か何かだと思ってるの?
「それに、佐藤君気にしてないでしょ?」
「まあ……」
確かに彼らのことは気にしてない。
三枝さんが強すぎて彼らは霞むし。
「でも、それとこれとは……」
「あーん」
ああ、僕の最後の一つだったから揚げさんが……
「どうして食べたの?ねえ?」
「むしゃ!むしゅむしゃむしゃ!!」
「うん…もういいや」
食べながら何か言ってる彼女に呆れて僕はあきらめる。
彼女は飲み込み僕に告げる。
「佐藤君から揚げさんは食テロなんだよ!」
「え、急に熱弁……」
「つまり持ってきた君が悪い!」
「ええ……」
なんて暴論だ。
「だから、また奢ってね?」
結局言いたい事それね…
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