うん。すごいんだよ。
放課後。
それは僕にとって夕方の活動がある。
ネット小説の多くがに更新される時間。
その時間を見計らって作品を探す時間だ。
「ふむふむ」
学園の美少女はろりがろりしてろりなんです!!
まったく意味不明!!高得点!!
フォローっと。
それにしてもさっきからおかしい。
いつもならみんな帰って一人の時間なのだが。
ずっと三枝さんが窓の外を見てずっと座っている。
お邪魔かな。
僕は気遣いその場を去ろうとする。
「待って!!」
「え?なに?」
「なんで帰っちゃうの!?」
「え、一人時間の邪魔かなって」
「いや、あれは話しかけてほしくてスタンバイしてたの!」
何のスタンバイだよ……
「で、何か用だったの?」
「えっと、少しバッティングセンター行かない?」
バッティングセンター。
機械により投げられる球を打つ練習用の施設。
またはちょっとした遊びの施設。
「えい!」
球はかすりもしない。
「ふん!」
カキーン!
三枝さんは隣で見事に飛ばしていた。
「あのさ?」
「うん?」
話しながら三枝さんは打ち続ける。
「私、嬉しかったんだ」
「えっと、何が?」
「付き合えたことだよ」
ああ、まあ、そうだよな。
「だから、信じられなかった。あれだけ大切そうに見えた凛を捨てて私と付き合ってくれたことが」
ボールは打たれて高く上がる。
「でも……嘘だったんだよね……」
僕は何も言えない。
いや、言ってはいけない気がした。
「彼はただ気づいてなかっただけ。私より凛が大切だって……」
彼女はバットを地面に軽くおく。
「みじめだなって……思った」
ボールが彼女の横を過ぎていく。
それと同時に彼女の涙が見えた。
それはまるで映画のワンシーンのようで目が離せなかった。
「でもね、そんなこと忘れてた…ありがとう」
なんで僕に?
そんな言葉すら忘れていた。
僕は何も言えずただボールが来るのを待つ。
そして打つ。
カキーン!
まぐれかもしれない。
だが確かにボールは高く打つ上がった。
そしてホームランの表示にあたる。
「見てた?」
「うん。すごいね?」
「うん。すごいんだよ」
何がとは言わない。
ただ言葉に届けと告げて喋っていた。
そうして帰り道。
「三枝さんこっち?」
「うん。こっち」
「三枝さんこの地区?」
「うん。この地区」
「三枝さんとなり?」
「うん。みたいだね」
うん?
「え!?」
どういうこと!?
隣だったの!?
「気づかなかったの?」
「うん……でも納得だよ」
なんか隣の家いつも食べ物の匂いがしていたから。
「ふふ、佐藤君が昨日食べたカレーはうち直伝だよ?」
「な!?」
あの急にうまくなったカレーはそういう関係だったのか!?
「いつから気付いて!?」
「先週カーテンが開いていて着替えてる佐藤君が見えた時かな?」
「え?それ全裸だったんじゃ……」
「下着は履いてたよ?」
ほぼ全裸じゃん……
「あのねもう少し筋肉つけたほうがいいよ?」
「プライバシーの侵害だよ?」
「??」
ないのか。
俺にはプライバシー……
「君の裸では興奮しないから大丈夫だよ?」
「そう……なんかへこんだ」
「ふふ、じゃあもっと食べて筋肉増やさないとね?」
「最近食べれてない元凶に言われると説得力が出るなー」
「じゃあまた奢ってね?」
だからなんでだよ。
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