そろそろ現実を見よう
「はあ、人がごみのようだ」
僕は屋上で校庭を眺めながら優雅に過ごしていた。
「そんなとこにいないでご飯食べようよ」
うん。
そろそろ現実を見よう。
「あのね、三枝さんなんでいるの?」
「え、だって前全部食べちゃったから」
「いや、そうだけど、一緒に食べなくても…」
「教室は地獄なんだよ…」
おお、地雷を踏んでしまったようだ。
「大我が彼女を連れてきてて気まずすぎるの……」
「お、おお」
西村は化け物か……
よく連れてこれるな。
「で、でもここじゃなくても…」
「ご飯は一人で食べるより誰かと食べたほうがおいしいんだよ?」
「そう……」
さも当たり前のように言うので思わずうなずいてしまった。
「で、なんで今日は六個もあるの?」
目の前にはサンドウィッチが六個もあった。
「あのね私考えたの!」
立ち上がり熱弁する。
「奇数だからいけないの!偶数だと割り切れていいでしょ!」
「……どっちみち関係なくない?」
「いいの!!」
力技じゃん。
というかどっちみちおなかが減れば三枝さんが食べてしまうのでは?
「それじゃあいただきます!」
相変わらず大きく口を開けて二つ同時に食べている。
「いただきます」
僕も食べ締めようとするのだが……
「いた……春香ちゃん」
「え、凛…」
見知らぬ女性が屋上に入ってきた。
ただ二人は知り合いのようだ。
「なんなの?今更…」
「違うの!私、知らなくて!」
「聞きたくない!」
彼女たちは白熱していた。
ただ僕は置いてきぼりだった。
「えっとどなた?」
「彼女は大我の今の彼女。大我の幼馴染の三森凛」
「え?」
修羅場じゃん……家に帰りたい。
「あなたは誰ですか?」
「えっと、三枝さんと同じクラスメイトの佐藤です」
「クラスメイト?」
「は、はい」
何故か訝しんでみてくる。
「春香、彼氏は選びなよ!」
「ぶっ!?」
なぜ彼氏なのだ!?
この人には僕はどう見えているんだよ!
「ふん、凛に言われる筋合いはないよ」
「私はあなたを思って……」
「思って大我をとったの?」
「!?」
その言葉は彼女にクリティカルヒットした。
「ふん、何も言えないでしょ?何も聞きたくないし私も好きにするからあなたも好きにして」
「……ごめん」
そう言って彼女は肩を下げて去っていく。
「よかったの?」
「佐藤君は凛の味方なの?」
「いいや、自業自得でしょ」
「だよね」
まあ、そこは否定しない。
「でも、友達なんでしょ?」
「元だよ。あんな泥棒猫」
怒りながら三森さんはサンドウィッチを次々と食べている。
「あれ?」
三枝さんの手元には何もなかった。
そして僕の手元にも。
「……」
「……」
彼女の怒りは食欲によって消化されるらしい。
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