三枝さんの標準こっわ。
「おはよう」
「おはよう」
クラスメイト達が明るく挨拶をしている。
その中僕はひっそり席に座る。
そしてネット小説を読み漁る。
ふむふむ。
僕の妹は根暗でブラコンで男の娘です!
なかなか攻めたタイトルだな。
よし、フォローと…
そんな朝の活動をしていると三枝さんが入ってくる。
すると教室は静かになる。
わあ、気遣われてるー
どうしてそんな速攻で別れたのが広まっているのか。
怖すぎる。
知らぬが何とかだ。
僕は完全に背景と同色になる。
僕は背景ですよー
そうしてネット小説をあさっていたのだが……
「はい」
「へ」
彼女はズドンと僕の机にBLTサンドを五個も置いた。
「何これ?」
「え、前のカラスに取られたからお裾分け」
「え、で、なにこの量?」
「え、足りないかなって一つだと」
三枝さんの標準こっわ。
「えーと食べきれないんだけど?」
「遠慮はいらないよ!」
ふんすといった具合だがこんなに食えるわけもなく。
「一緒に食べてくれる?」
「うん!」
狙ってないですか?
「おはよう!」
そんなことをしているともう一人の当事者、西村が入ってくる。
また教室は静かになる。
そうして西村はまっすぐこちら、というか三枝さんのもとに来る。
「春香、昨日は改めてごめん!」
ど、土下座!?
教室で土下座か……浅はかだな。
「うん?大我は踏んでほしかったのか?」
三枝さんは西村の頭を足でぐりぐりする。
「いいなー…」
やめておけ三枝さん。
変な信者がわくぞ。
僕は仕方なく言う。
「場所変えよっか?」
そうして人目がない非常階段の近くに来た。
「春香昨日は……」
「おどれは機械か!!」
三枝さんはみぞおちをグーパンで攻撃する。
「ぐは!?」
やばい完全にバーサーカーモードだ。
「ほら三枝さんサンドウィッチだよー」
「もらう!」
そうしてBLTサンドをほうばっていた。
「西村とにかく謝るのはやめよう」
「お前は黙っててくれ。これは俺と春香の問題だ」
「謝って楽になる気か?」
「!?」
俺は一気に本題をつく。
「お前は焦ってるんだろ?好きな人と付き合っていくうえで禍根を残したくない」
彼は静かに聞いている。
「だから、三枝さんにちゃんと許してほしい。だろ?」
「そ、そんなんじゃ……」
「じゃあ何ならいいんだ?西村がやったことは許されることじゃない。楽になろうとするな」
「……」
西村は何も言わない。
「これは三枝さんが言えなそうだったから僕が言っただけ。本当のことだよ」
彼は完全に沈黙した。
「え?」
三枝さんから洩れる言葉。
せっかく僕が綺麗にまとめたのに……
「嘘じゃねーか!」
「えっと、嘘ではないよ?ね、三枝さん」
「そ、そうよ。嘘じゃないわ」
へたくそだった。
嘘が。
「と、とにかく君は少しの間でも重みをもつべきだよ」
「うん。そう!」
「そ、そうか……」
危なかった。
下手な彼女の演技に気づかなくてよかった。
「というわけで僕は帰るね?」
「あ、ああ」
そうして地獄からの脱出を成功させる。
「あ、BLTサンド……」
全部三枝さんに部渡していた。
僕は焦って戻る。
「むしゃむしゃ?」
全部食べられていた。
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