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負けヒロインの別れ話の現場を目撃したら懐かれて困っています。  作者: 雨夜 フレ


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24/25

君だよ。君。

「玉木さん今日も来ないね……」

「うん……」


彼女は急に屋上に来なくなった。


「まあ、あんなの見たら無理かもね…」

「そんなもの?」

「うん……」


三枝さんには彼女の気持ちがよくわかる。

ということだろう。


「佐藤君、彼女に会いに行こうよ」

「え?」


三枝さんの言葉に固まる。


「なんで?」

「だって彼女きっと待ってるよ?」

「誰を?」

「君をだよ」

「え?」


なんで僕?好きな人じゃないの?


「君は彼女が心を許した唯一の男性だよ?きっと彼女にとって大きな存在だよ!」


出た。

三枝さんのなぞ理論。


「だとしても僕、彼女の家は……」

「私知ってます」

「え?なんで一ノ瀬さん知ってるの?」

「実は前に相談しに行った時があるんです…」


相談……


それで何となく想像はつく。


「分かったよ。今日の放課後みんなで行こ」

「うん!」


そうして放課後。


「ほらインターホン押して?」

「なんで僕なの?」

「え?代表みたいなものじゃん」


いつ僕が代表になったんだ?


「あ、あなたたち……」

「え、玉木さん?」


そこには部屋着と思われる服装で立っている彼女がいた。

手にはコンビニ袋があった。


「なんでここに……」

「えっと……」


そういえば、何を言いに来たんだ?


そんな僕の代弁をするように三枝さんが告げる。


「戻ってきて!」

「え?」

「ほら、佐藤君も!」


僕は背中を押されて前に出る。


「えっと、玉木さん……協力もういいの?」

「……ええ…あんなもの遊びよ…」


そう言う彼女の手は強く握られていた。


「遊びだったなら…もっと遊ばない?」

「は?何言ってるの?」

「うん……何言ってるんだろうね?」

「いや、あなたが言ったことよ?」

「うん……多分本音だよ。僕の……みんなの」

「え?」


そうだ。確かに玉木さんとは協力関係だった。

でも確かに楽しかった。

それが残っている。

消えない。


「確かに目的はなくなったかもしれない。でもその過程で発生した。友達というものがね」

「友達……」

「うん。君の慰めにはならないかもしれない。だけど、身勝手に捨てさせないよ?僕たちは友達だからね?」

「佐藤君……」


彼女は少し視線を下に向ける。


「ふふ、あなたらしくないわね?」

「ああ、ほんと誰かさんのせいだよ……」

「え、誰のことなの?」


君だよ。君。


読んでいただき、ありがとうございます。

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