考えて佐藤くんは童貞
昼休み僕たちは玉木さんも加えて集まっていた。
「ねえ、二人ともなんか遠くない?」
「そうかな?」
「そうだよ。前まで「お兄ちゃん」てなってたのに今日はなんだかいきなり他人になったみたい」
「そんなことありませんよ」
「うーん?」
さすがに三枝さんはばれるか……
「まあ、お互い考えたんだよ。距離が近すぎないかってね」
「そうなんだ!それはいいことだと思う!うん!」
なんで喜んでいるの?鬼?
「そんなことはいいけど、何かいい案は出たの?」
「え、なにが?」
「はあ、忘れたの私へのアピールについてよ?」
「あ」
「あ?」
やっべ忘れてた。
「まさか忘れてたなんて……」
「いやいや、忘れてないよ?ちょっとしたジョークだよ」
「そう、私、そのジョーク好きじゃないから今度やったら分かるわよね?」
「……はい」
マジで命の危機を感じました。
「さて、で、何かいい案は?」
「え、えっと……」
考えるんだ。佐藤葵!
僕の十五年の知識を振り絞れ!
ピコン!
「あ、そうだ!」
「うん?なに?」
「デートしよう!」
「は?」
顔こっわ……
「なんであなたとデートしなくちゃいけないの?」
「えっと、そういうアピールは細かい日常で発揮されるのかなって」
「だからデート?」
「そ、そう」
彼女は手を口にもっていき考える。
「まあ、いいわ」
よし、何とか生き延びたな…
「それじゃあ明日早速デートしましょう」
「待って!」
三枝さんが異を唱える。
「何かしら?」
「そこに私も混ざります!」
「あら…なぜ?」
「そこに食の匂いがするから!」
なんて浅ましい理由だ。
「何お得が私にあるのかしら?」
「考えて佐藤君は童貞」
「そうね?」
おい、断定するな。
「だから、初のデートで緊張すると思うの」
「それで?」
「だからデートというよりお出かけに近づけることで彼本来の良さが出ると思うの」
「……一理あるわね」
おお、とんでもない理由かと思ったらちゃんとした理由があったのか。
「それにみんなでご飯食べたほうがおいしいしね!」
それが狙いじゃんか……
「で、どうかな?」
「そうね。お願いできる?」
「うん!」
「あなたはどうするの?」
「え?」
一ノ瀬さんは戸惑う。
「彼女はいいでしょ」
「なんでかしら?」
「あまり人数が多くてデートの割合がさがるとよくないでしょ?」
「まあ、そうね」
彼女はほっとしていた。
まあ、別れたばかりのカップルがデート何て地獄だ。
「じゃあ、明日は張り切って食事…デート頑張ろう!」
「ねえ、彼女がいて大丈夫なの?」
「たぶん……」
そう祈るしかできないのが三枝さんである。
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