ただ立っているだけだった。
「とにかくあなたの任務は私にどうにかアピールすることよ」
アピールね………
高難易度である。
それに僕にはやらないといけないことがある。
僕は一ノ瀬さんを見つめる?
「??」
彼女は困惑している。
それをみると少し怖くなる。
だが、やらないといけない…………
それが彼女のためでも僕のためでもある。
「まあ、とにかく考えておくよ」
「まあ、いいわ」
そう言ってその日は解散になった。
帰り道。
「ねえ、佐藤くんうどん食べない?」
「うどん?」
「また急だね?」
「急じゃないよ。彼らはツルツルだよ?」
そっちの話ではない。
「そうだね。良さそうだけど遠慮しておくよ」
「なんで?美味しいのに?なんで?」
二回いう必要ある?
「僕これから一ノ瀬さんと用事あるから」
「え?」
一ノ瀬さんは呆気に取られていた。
「そうなの?」
「ああ、だからうどんはまた今度だね」
「うどん………」
そごでうどんの口だったのか……
「とにかく僕たちは用事あるからまたね」
そうして彼女と別れて僕たちは公園に来ていた。
「お兄ちゃん用事ってなんですか?」
僕は少し視線を彷徨わせて告げる。
「別れよう」
「え?」
突然のことだ。
彼女は準備ができてなかったのだろう。
固まっている。
「何言ってるの?」
「…………」
彼女は焦っている。
それもそうだろう。
わかっていたことだ。
「まだ、私………」
「満足していないんでしょ?」
「!?」
彼女は少し身を引く。
「気づいたんだ。これは少なくても僕たちの恋じゃない」
「どういうことですか?」
僕は息を浅く吐き告げる。
「君は振られた三木くんの後ろ姿を追っている。
僕は分からないままただ盲目に恋愛をしている」
「………」
彼女は気づいていたはずだ。じゃなければ進展があったはずだ。できなかったのは気づいていたからだ。
「君が僕に抱くのはあくまで兄妹としての好きだ。それ以上は彼、三木くんにかしかない」
「そ、そんなことは………」
ないとは言えない。
それもそうだろう。
「そして、僕は君のことを妹として好きだ。でも好きの種類は増えてないし。君との時間は妹ととして以外は好きではない」
「つまり………」
「ああ、初めから破綻してたんだよ………」
そう、初めから。
「いいじゃないですか………破綻してても」
彼女は分かっているはずだ。
でも、納得はしていない。
「破綻してるのは問題じゃないんだよ」
「え?」
そう破綻は問題じゃない。
そうじゃないんだ。
「このままいけば僕も君もいずれ気づく」
「何にですか?」
「破滅が待ってるってことに」
彼女は静かに目を大きく見開く。
それは意識の再認識だ。
分かっていたことだ。
でも、指摘されて再度認識する。
それは大きく僕と彼女に刻み込まれる。
「ごめんなさい………」
「いいんだ。君は君なりに懸命だった」
振られながらそれをどうにかするために選んだ苦肉の策だ。
僕はそんな彼女を責められない。
「うっ、う」
嗚咽が公園に響く。
ただ、見ていることしかできない僕。
「僕は……………」
無力さは僕を責め立てる。
ただ、出る言葉は言い訳しかない。
それが余計に惨めで悲しくて。
だからこそ僕を駆立てる。
彼女な頭を撫でる。
「破綻してても正常じゃなくても恋人じゃなくてもいいでしょ?これくらいはさ」
「う、う。お兄ちゃん!!」
抱きつく彼女を強くは抱きしめない。
ただ立っているだけだった。
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