それは病。
恋。
それは病。
ネット小説、恋は病ですか?によるとそうらしい。
病か…
きっとこの子もそうなのだろう。
僕の腕に抱き着く彼女を見る。
彼女の頬はだらしなくなっていた。
「お兄ちゃん」
「うん?なに?」
「ただ呼んだだけです」
最近はこんな感じで彼女は僕への甘えがひどくなってきている。
それはもはや兄妹の域を超えている。
そして、三枝さんが睨みつけてくる。
ここまでが最近のセットだ。
「二人は本物の兄妹にでもなるつもり?」
「いや」
「はい!」
うむ…意見の相違だな。
「あのね一ノ瀬さん兄妹にこだわらなくても友達とかもあるんだよ?」
「嫌です!葵君は私のお兄ちゃんです!」
「兄妹の必要あるの?」
「兄妹だから……いいんですよ」
彼女はなぜ強く兄妹にこだわるのか……
「あ!」
「え?どうしたの?三枝さん」
まさか彼女が兄妹にこだわる理由でも分かったのかな?
「あの雲、メロンパンに似てる!」
「ああ…そう」
彼女の脳はどこまで食べ物でできているのだろう……
「私購買に行ってくるね!」
「え、ちょっと!?」
行ってしまった……
正直彼女と二人っきりは避けたかった。
最近の彼女は異常だ。
過度なスキンシップ。
どこまでもまっすぐな好意。
どれも僕の中の何かを揺らす。
「お兄ちゃん」
「な、なに?」
僕は喉を乾かしながら聞く。
「お兄ちゃんは私が好き?」
「え、えっとたぶん?」
まあ、可愛い妹だと思えるようにはなった。
「じゃあ、本当に付き合おうか」
「え?」
僕は予想外の答えにただ喋れない。
「ど、どうして?」
これが精一杯。
「だって、二人が好き同士なら付き合うものでしょ?それが兄妹でも……」
まるで真理でも語っているかのように彼女は言う。
確かに、両者が好意を持っているならそれは当然の流れかもしれない。
断る理由はないはず。
だけど僕は戸惑う。
(なんでだ?こんなチャンス一生来ないぞ?)
だけど、それでいいのか?
間違いじゃないのか?
真理なのか?
「兄妹が愛しあってはいけない理由なんてないんだよ」
彼女は耳元でそっと囁く。
それは悪魔にも天使の声にも聞こえた。
いや、堕天使だ。
きっとそうだ。
だけど心はなぜか不思議と引き付けられる。
その背徳感に。
「壊れちゃえばいいんだよ」
それがすべてを解き放つ。
そうか……いいのか。
壊れてしまえば楽なのか……
「……いいね、壊れよう一緒に」
「よかった…よろしくね?」
その笑顔は無邪気で無垢だった。
そして無知だった。
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