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負けヒロインの別れ話の現場を目撃したら懐かれて困っています。  作者: 雨夜 フレ


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15/25

それは病。

恋。


それは病。


ネット小説、恋は病ですか?によるとそうらしい。


病か…


きっとこの子もそうなのだろう。

僕の腕に抱き着く彼女を見る。

彼女の頬はだらしなくなっていた。


「お兄ちゃん」

「うん?なに?」

「ただ呼んだだけです」


最近はこんな感じで彼女は僕への甘えがひどくなってきている。

それはもはや兄妹の域を超えている。


そして、三枝さんが睨みつけてくる。

ここまでが最近のセットだ。


「二人は本物の兄妹にでもなるつもり?」

「いや」

「はい!」


うむ…意見の相違だな。


「あのね一ノ瀬さん兄妹にこだわらなくても友達とかもあるんだよ?」

「嫌です!葵君は私のお兄ちゃんです!」

「兄妹の必要あるの?」

「兄妹だから……いいんですよ」


彼女はなぜ強く兄妹にこだわるのか……


「あ!」

「え?どうしたの?三枝さん」


まさか彼女が兄妹にこだわる理由でも分かったのかな?


「あの雲、メロンパンに似てる!」

「ああ…そう」


彼女の脳はどこまで食べ物でできているのだろう……


「私購買に行ってくるね!」


「え、ちょっと!?」


行ってしまった……


正直彼女と二人っきりは避けたかった。

最近の彼女は異常だ。


過度なスキンシップ。

どこまでもまっすぐな好意。

どれも僕の中の何かを揺らす。


「お兄ちゃん」

「な、なに?」


僕は喉を乾かしながら聞く。


「お兄ちゃんは私が好き?」

「え、えっとたぶん?」


まあ、可愛い妹だと思えるようにはなった。


「じゃあ、本当に付き合おうか」

「え?」


僕は予想外の答えにただ喋れない。


「ど、どうして?」


これが精一杯。


「だって、二人が好き同士なら付き合うものでしょ?それが兄妹でも……」


まるで真理でも語っているかのように彼女は言う。


確かに、両者が好意を持っているならそれは当然の流れかもしれない。


断る理由はないはず。


だけど僕は戸惑う。


(なんでだ?こんなチャンス一生来ないぞ?)


だけど、それでいいのか?

間違いじゃないのか?

真理なのか?


「兄妹が愛しあってはいけない理由なんてないんだよ」


彼女は耳元でそっと囁く。

それは悪魔にも天使の声にも聞こえた。

いや、堕天使だ。

きっとそうだ。

だけど心はなぜか不思議と引き付けられる。

その背徳感に。


「壊れちゃえばいいんだよ」


それがすべてを解き放つ。


そうか……いいのか。


壊れてしまえば楽なのか……


「……いいね、壊れよう一緒に」


「よかった…よろしくね?」


その笑顔は無邪気で無垢だった。

そして無知だった。


読んでいただき、ありがとうございます。

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