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負けヒロインの別れ話の現場を目撃したら懐かれて困っています。  作者: 雨夜 フレ


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13/25

え、これデートだったの?

妹が脳筋で困っています。


脳筋妹による痛快ラブコメディ。


うん。実に味わい深かった。


はあ、脳筋か…


今の状況も似たようなものだ。


「お兄ちゃん!あっちに可愛い雑貨屋さんがありますよ!」


脳筋妹な休日のはずだった。


しかしは僕は彼女一ノ瀬瑠璃によって街に出かけさせられていた。


「佐藤君!あっちにタコ焼きがあるよ!」


しかも、三枝さんも含めてだ。


「雑貨です!」

「たこ焼き!」


二人ともが僕の腕を引っ張ってくる。


「どちらも行けばいいんじゃないの?」

「それです!」

「それだ!」


はあ……


そうして強引なお出かけをさせられていると……



「「あ」」


最近有名な彼に会う。


「瑠璃ちゃん!」

「お姉ちゃん……」


彼は一人ではなかった。


一ノ瀬さんと似ている綺麗な女性と一緒だった。


「こんなところで奇遇ねー」


なんか間延びしているような話し方だった。


「お姉ちゃんたちはデートしてたんだけど瑠璃ちゃんもそうなのー?」

「う、うん」


え、これデートだったの?


「え、これデートだったの?」


三枝さんも同じ感想みたいだった。

それを知って三枝さんは少し僕を見て言い淀む。


「し、知らなかっただけだからね?」

「う、うん」


なんかこっちも間で言い淀んでしまう。


「ところであなたは?」

「えっと、私は、彼の…」


彼女は少し視線を僕に向けて顎をくいっとする。


僕に言えというのか……


でも困った。


僕はこの関係に名前を持っていない。


さてどうしたものか……


とりあえず何でもいいから答えておこう。


「食事仲間です」

「不思議な関係ねー?」

「ま、まあ」


否定はできない。


「はあ、さすが佐藤君だよ……」


三枝さんはため息をついていた。


どうも期待には応えられなかったようだ。

それなら、初めから自分で答えてほしいものだ。


「それならみんなで昼食食べないー?」

「「「「え?」」」」


この状況で食事、正気かこの人……


「食事はみんなでたべたほうがおいしいものねー?」

「え、は、はい」


ばか!


流れで三枝さんが返事してしまう。


しまった。思うがツボってやつだ。


予想外の展開になってきていた。



そうしてみんなでファミレスに入った。


「佐藤君は手のかかる人で、ですね」

「分かるわー」

「そうなんですよ」


なんか異様に三人は息があっていた。


仲良くしゃべっていた。

まるで近所のおばさん達だ。


「すまない」


彼が謝ってくる。


「い、いや、僕はいいけど」

「そうか……ありがとう。彼女、一ノ瀬葉月いちのせはづきは変なところがあるからな…」


まあ、確かに変人だ。


「改めてだが、俺は三木次郎みきじろう

「ああ、ご丁寧にどうも。僕は佐藤葵です」


前の彼と違い丁寧な対応だった。

これが本来の彼なのかもしれないな。


「葉月とは瑠璃とは幼馴染でな。昔からの付き合いなんだ…」


彼はすりガラス越しのぼやけた外の景色を見て告げる。


「じゃあ、瑠璃ちゃんの好意には……」

「ああ、知っていたさ……」


彼に顔には苦悩が見えた。


きっと彼なりに悩んで出した決断なのだろう。


恋とはいや、そもそも人生とは、何かを捨て選ぶものだ。

そういうものだ。


「へえーじゃああなたも彼の恋人なのね!!」

「ま、まあ。そう言えるかもしれませんね」


……いったいどんな話をしたらそんなことになるの?


ねえ、三枝さん。



読んでいただき、ありがとうございます。

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