え、これデートだったの?
妹が脳筋で困っています。
脳筋妹による痛快ラブコメディ。
うん。実に味わい深かった。
はあ、脳筋か…
今の状況も似たようなものだ。
「お兄ちゃん!あっちに可愛い雑貨屋さんがありますよ!」
脳筋妹な休日のはずだった。
しかしは僕は彼女一ノ瀬瑠璃によって街に出かけさせられていた。
「佐藤君!あっちにタコ焼きがあるよ!」
しかも、三枝さんも含めてだ。
「雑貨です!」
「たこ焼き!」
二人ともが僕の腕を引っ張ってくる。
「どちらも行けばいいんじゃないの?」
「それです!」
「それだ!」
はあ……
そうして強引なお出かけをさせられていると……
「「あ」」
最近有名な彼に会う。
「瑠璃ちゃん!」
「お姉ちゃん……」
彼は一人ではなかった。
一ノ瀬さんと似ている綺麗な女性と一緒だった。
「こんなところで奇遇ねー」
なんか間延びしているような話し方だった。
「お姉ちゃんたちはデートしてたんだけど瑠璃ちゃんもそうなのー?」
「う、うん」
え、これデートだったの?
「え、これデートだったの?」
三枝さんも同じ感想みたいだった。
それを知って三枝さんは少し僕を見て言い淀む。
「し、知らなかっただけだからね?」
「う、うん」
なんかこっちも間で言い淀んでしまう。
「ところであなたは?」
「えっと、私は、彼の…」
彼女は少し視線を僕に向けて顎をくいっとする。
僕に言えというのか……
でも困った。
僕はこの関係に名前を持っていない。
さてどうしたものか……
とりあえず何でもいいから答えておこう。
「食事仲間です」
「不思議な関係ねー?」
「ま、まあ」
否定はできない。
「はあ、さすが佐藤君だよ……」
三枝さんはため息をついていた。
どうも期待には応えられなかったようだ。
それなら、初めから自分で答えてほしいものだ。
「それならみんなで昼食食べないー?」
「「「「え?」」」」
この状況で食事、正気かこの人……
「食事はみんなでたべたほうがおいしいものねー?」
「え、は、はい」
ばか!
流れで三枝さんが返事してしまう。
しまった。思うがツボってやつだ。
予想外の展開になってきていた。
そうしてみんなでファミレスに入った。
「佐藤君は手のかかる人で、ですね」
「分かるわー」
「そうなんですよ」
なんか異様に三人は息があっていた。
仲良くしゃべっていた。
まるで近所のおばさん達だ。
「すまない」
彼が謝ってくる。
「い、いや、僕はいいけど」
「そうか……ありがとう。彼女、一ノ瀬葉月は変なところがあるからな…」
まあ、確かに変人だ。
「改めてだが、俺は三木次郎」
「ああ、ご丁寧にどうも。僕は佐藤葵です」
前の彼と違い丁寧な対応だった。
これが本来の彼なのかもしれないな。
「葉月とは瑠璃とは幼馴染でな。昔からの付き合いなんだ…」
彼はすりガラス越しのぼやけた外の景色を見て告げる。
「じゃあ、瑠璃ちゃんの好意には……」
「ああ、知っていたさ……」
彼に顔には苦悩が見えた。
きっと彼なりに悩んで出した決断なのだろう。
恋とはいや、そもそも人生とは、何かを捨て選ぶものだ。
そういうものだ。
「へえーじゃああなたも彼の恋人なのね!!」
「ま、まあ。そう言えるかもしれませんね」
……いったいどんな話をしたらそんなことになるの?
ねえ、三枝さん。
読んでいただき、ありがとうございます。
気に入っていただけたら、ブックマークや評価で応援してもらえると嬉しいです。




