そこに僕がいて
海の側。
遠い日に、悲しい出来事があった地に、僕は、立っていた。
幾つの、白い波が打ち寄せる砂浜で、
僕は、風に当たっていた。
どうすればいいのか。
晴は、賛成も反対もしなかった。
この成り行きを知っていたんだろう。
真凜が鍵となっていた。
一つの方法がある。
それが正解かは、わからない。
吐夢という九尾狐が、きっかけで始まった事なら、
僕という九尾狐・・。
半端だけど。
終わらせる事が出来るはず。
もう、消えてしまうかもしれない、
母さんに代わってできる事。
きっと、僕は、まだ、戻って来れる。
桜咲里が、真凜に渡した中に、
まだ、残っている研究員達の手がかりがあった。
もう、
真凜へ、委託した彼が存命している可能性は、
少ないけど。
その彼と繋がっていた人達の、
手がかりを元に、
僕らは、手がかりを見つけた。
僕が・・・。
鍵になろう。
吐夢と、
僕の複雑な運命を、
ここで、終わらせる。
きっと、
ここが、終わりじゃなくて、
次がある筈だから。
「待ってる・・・」
「このままで、終わる訳にいかないからな」
音羽も、晴もそう答えてくれた。
「決着をつけるのは、私だから」
桜咲里が、言った。
「・・・だから」
環ってくる。
吐夢と決着をつけて。
幾つもの、検問を潜り抜け吐夢は、
現れた。
「待っていたよ」
可愛い吐夢。
きっと、
別の出逢い方をしていたら、吐夢は、可愛い弟だったんだろうな。
「優しい気持ちは、出すなよ」
晴の言葉に、心に浮かんだ思いを打ち消した。
「気付いたんだね」
僕の姿を見つけた吐夢が、何事もなかった様に、声をかけた。
「何が始まりで、どうしたら、終わる事ができるのか」
「知っていたんだ・・・」
「もちろん。始めたのは、僕だもん」
吐夢は、イタズラっぽく笑った。
僕は、吐夢を傷つける事になる。




