責任取れないなら、選んだらイカン
感染。
勝浦の感染は、やっぱりといった所だ。
「本当に、効くのか」
誰も、わからない。
感染しやすく開発した。
自国で、開発した兵器は、自国の民を苦しめる結果になった。
あらかじめのワクチン。
治療薬は、これといって、なかった。
ワクチンで、軽減化するしかない。
「なのに・・・」
頼みの綱が、真凜だった。
それを、本人は、知らない。
研究室の彼が、命をかけて、真凜に託した。
その彼も、発症し、海の藻屑と消えた。
「何も、残っていないんだ・・・」
一つの賭けだった。
他に、人に託せる方法は、あったのだろうか。
「大丈夫か?」
桜咲里は、聞いた。
発症しない自分が、恥ずかしい。
自分の敵と思って颯太を追い詰めた日々。
九尾狐の妖怪を追って、香港で過ごし、勝浦にあった。
「九尾の狐は、九回、転生するらしい」
「本当ですか?そんな事?」
「あの、楊貴妃もそうだったって、噂が、あるらしい。大きな国家は、九尾の狐に転覆させられたそうだ」
「日本も?」
「日本にも、葛の葉の話があるよな」
「あれは、九尾の狐ですか?」
「とかく、狐の伝説は多い」
「眷属も狐って、話ですね」
「日本にも、九尾狐の伝説はあるな」
そんな笑い話を思い出した。
「眷属か・・・」
敵のあいつが、そんな尊い存在の訳がない。
気まぐれに、大事な人を死に追いやった。
ただの、妖崩れ、
「真凜・・・。どこに行ったのか」
誰かと合流したとの話は、ない。
「戻って、方法を考えましょう」
戻るって・・・どこに?
ここまで、ようやくきたのだ。
途中、検問箇所は、幾つもあり、やっと、満身創痍で辿り着いた。
ここから、戻る体力も気力もない。
自分達の力では、限界が来ている。
国は、半分になり、もう、この辺は、他国が管理するだろう。
「仙台まで?」
行く気力がない。
その時だった、
桜咲里の携帯が鳴った。
声を聞いて、胸が高鳴った。
何で?
自分で、自分の気持ちがわからなかった。
颯太だった。
「真凜が、こちらに届いた」
との事だった。
「無事なのか?」
慌てて、変わる勝浦。
颯太の声が曇った。
「命に、別状はない・・・けど」
「けど?」
「図面は・・・使えなくなった」
「・・・・という事は?」
「大きな怪我をした」
それは、吐夢だと、颯太は言えなかった。




