表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

68/69

一の葉、空翔

不思議な光景。


眼下に広がる。


懐かしい。


人工的な灯りは、見えず、


太古に戻ったような地平線。


地下に光るは、


近深く潜った人々の命の灯。


海や河も同じ。


瞬き、消えていく。


こんなの、望んだか。


長い間。


「殺してやる」


汚い言葉を吐いた。


石に閉じ込められた。


名のある僧正とだけ、聞いた。


「復讐してやる」


黒い感情で、一杯になった。


自分の思う様に生きて、


突然、捕まえられた。


「何も、悪い事はしていない」


「帰りたい!」


何度、叫んでも、自由になる事は、できなかった。


「あの人が来るまで」


黒い感情が消えていった。


始めて、穏やかな日を迎えた。


生まれたのは、


小さな男の子だった。


颯太と付けた。


「あの人に、似てくれればいい」


そう思った。


思いは、通じなかった。


颯太は、自分に似ていた。


「なんて事を・・・」


自分を責めた。


あの人は、自分が、何者か知らない。


朝だった。


寒い朝だった。


澄み切った空気が、肌を刺した。


無意識で、放った炎は、颯太が、原因だった。


「危ない!」


救った姿を、あの人が見ていた。


仕事に行った筈なのに。


「どうして?」


責めるような夫の目。


恐怖の目だった。


逃げた。


思わず。


知られたくなかった。


夫にも。


颯太にも。


あれから、何年経った?


まだ、この地に舞い戻っていた。


「颯太・・・」


まだ、忘れられないでいた。


お腹の中で、始めて動いた日の事を覚えていた。


自分の思いは、変わらない。


変わったのは、颯太を取り巻く環境だった。


恐ろしい魔の手が、この地に迫っていた。


「私、1人に力じゃ、どうにもならないから」


背中では、真凜が、気を失っていた。


それは、そうだ。


あまりにも、この世界は、辛すぎる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ