再会
僕らが、引き付け、活路を見出す。
打ち合わせた訳でもない。
最初は、渋々、引き受けた。
小さな頼み事だった。
感染したくないから。
僕も、感染すると思っていたから。
残念な事に、
僕は、感染しなかった。
それは、
僕は、人ではないと突きつけられたも、同じだった。
改めて、
僕は、出自を知る事となる。
それと、同時に、
この世界で、
何か、役に立てたらと思える様になった。
人になりきれない僕が、
誰かの為になれたら。
支えてくれる仲間と。
何か、僕の生きた証が出来ればと。
活路を見出す為。
僕らが、引きつけ、
桜咲里を、逃げ出させる。
道行に不安はない。
あの桜咲里なら。
勝浦なら、
この状況から、逃げ出せる筈。
そう信じたかった。
予想外の事が起きるまで。
吐夢。
幼い子は、純心だ。
なんて、
言える状況ではなかった。
残酷。
吐夢と僕は、同じ血が流れている。
それを否定したくなる程。
「やめろ!」
何度、止めに入ったか、わからない。
「相手は、人なんだから・・・手加減しろ」
晴が嗜めても、
吐夢のそれは、獣でしかなく、
同じ血が流れていると言われた僕を苦しめた。
「兄さんは・・・半分、人の血が流れているから」
見下したように笑う。
「煮え切らないから、こんな事になったんだよ」
「どう言う事?」
「今までも、チャンスはあった筈だよ」
「今まで?」
「兄さんがしっかりしないから、僕が来た」
「僕がしっかりしないから?」
「中途半端で、相手に優しい。簡単に僕を受け入れたし、あんな、人間の女に、狙われても、簡単に許している。殺されるかもしれないのに」
「桜咲里の事は、理解できるから」
「理解できる?生きるか、死ぬかでしょう?」
「生きたいなんて、思わない」
「生きるんだよ。兄さん。僕らは、違う」
「違うって、言いたくない」
「・・・だから。甘い」
側から見たら、大人と子供の喧嘩に見えただろう。
だけど、
吐夢の表情は、
野生の獣と変わらず、
殺気立っていた。
「最初から、感染を防ぐ為に、殺れば良かったんだ」
「吐夢。兄貴に向かって、乱暴な言葉は、よせ」
そう、晴が入った時だった。
「ここで、良かったのか」
空間を割って、現れたのは、音羽だった。
「音羽?」
一瞬、僕らに、笑みが生まれた。
が、
見た目は、音羽でも、
中身は、違っていた。
誰かが、音羽の姿を借りていた。
「あなたは・・・いったい?」
「忘れたの?仕方がないね。覚える暇もなかったでしょう?」
吐夢の冷たい声。
「え?」
「どうやって、ここへ?」
意外にも、晴が反応した。
「晴?」
晴の心がわかる。
今までにない、晴の明るい声だった。




