静かな抵抗
突然、現れた人ではない存在に、侵略者達は、パニックになり、
僕らを追い詰めるだろう。
そう思っていた。
予想外の事が、その時、起きていた。
「奴らは、感染しないのか?」
マスクをつけた侵略者達を見て、真っ先に晴が言った。
「似たような光景を大陸で、見たな」
「大陸で?」
「まぁ・・・あれは、ガスマスクだったか。今回は、生物兵器か」
「生物兵器って・・・結果的にでしょう」
実験的に、運んだ物が、偶発的に爆発した。
それだけだろう。
「そうかな・・・なら、何故、他に感染者がいない?どうして、この国の人だけなんだ?」
「いや・・・いるでしょう?」
「そうか?」
晴は、簡単に、車から飛び降りると、次から次へと、兵士達のマスクを、剥ぎ取っていった。
驚き右往左往する人達。
目を白黒にし、手当たり次第にマスクを奪い合う。
「感染は、するだろう・・・けど」
たちまち、鼻から、出血し始まる。
感染か?
そう思ったが、症状は、すぐ、治った。
まるで、
僕らが、発症した時と、同じ様に。
鼻から出血しても、簡単には、広がらない。
僕らが、そうであった様に、この国の人達の様な感染の広がりはなかった。
「・・・僕らと同じ?」
「いや・・・そうではない。明らかに、準備された事なんだ」
「準備?」
「感染しにわざわざ、来る奴がいるか?」
「計画的だって事?」
「感染しない準備ができているって事」
「ワクチン」
晴と顔を合わせた。
それだ。
その時、頭上に爆音が響いた。
一瞬、僕らを追う侵略者達かと、思ったが、そうではなかった。
何きもの、ヘリが頭上に現れていた。
「そうだよ。いつまでも、逃げている訳ではない」
感染拡大から、政府は、尻尾を巻いて逃げたいた訳ではなかった。
残っていた人達が、逃げるだけでは、生き残れないと反旗を翻したのだ。
奴らが、感染しない方法を知っているなら、
解けない方法はない。
残った人達を救い出し、
徹底的に抗戦する。
「通りで・・・」
僕らを、追いかける兵士達が少なかった訳だ。
水面下で、反撃が進んでいた。
「やっとだな」
追ってきた1人が、声を上げた。
手をかけようとした吐夢を桜咲里が、静止した。
「追いかけてきたの?」
「この行末が、見たくて」
勝浦だった。
「結局、助けてもらう形になりそうだな」
頭を掻きながら、言った。
「助ける?そんな気はないよ」
僕は言った。
「元の日々に、戻りたいだけ」
そう、
僕の憧れた日々に。
もしかしたら、戻れるかもしれない。
吐夢と。
そして、
音羽。
母。




