表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は、羊水に揺られて夢を見る。外は、激しい憎しみの世界なのに。  作者: 蘇 陶華


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
55/91

忘れていた絆

自分の中に、何か居る。


そんな感じだったと後で、言う。


九尾の狐


そのイメージは、妖女であり、大国を滅ぼしたとの口伝も残っている。


その真実は、


ただの愛に溢れた人だったと聞いた。


それを聞いた時、僕の双眸からは、熱い物がこぼれ落ちた。


どこかで、僕の存在は、間違いだったと思っていた。


母を殺したとも思っていたから。


だけど、


母は、しっかり僕を守っていてくれた。


それに気付いたのは、ずっと後だった。


何よりも、


僕が、驚いたのは、


あの妖狐だったと言う事。


一の葉


と母は、呼ばれていた。


音羽に、憑依した母が、目にしたのは、真凜だった。


何故、母は、真凜が、鍵になると知っていたのか、


その時の僕には、わからなかった。


でも、


少しでも、


僕や僕の父の生きている、この国を気に掛けている事が、


嬉しかった。


そんな思いだけでも、繋がっている。


小さかった僕に、知らせる事ができたら、


あの山寺での、苦しかった日々で、


僕が、卑屈にならずに、済んだだろうに。


音羽が、一の葉に、見せられた世界は、恐ろしいものだった。


「もう・・・元には、戻らない」


そう思ったと言う。


何とか、東日本は、息を潜めながら、存在していたが、東京も間も無く、

壊滅するだろう。


地底から、湧き上がる青い炎は、


人の魂の炎。


多くの人が、地下で、燃え尽きていった。


「誰も、助からないの?」


真凜の背中を冷たい物が、流れ落ちる。


「どこにも、いないの」


見下ろすと、目に映るのは、侵略者。


感染した者を見つけると、遠慮なく焼き払う。


どこにも、逃げ場なない。


熱探知機を使い、人を探す。


「見つかってしまう」


真凜は、身震いする。


逃げきれない。


助けを寄越すと、言った父親からの連絡もあれからない。


「あなたを、必ず、届けるから」


不思議だ。


真凜は、目の前の少女の顔を見た。


1人の顔を見ているつもりだが、幾つもの顔が、浮かぶ。


この少女が、父親が言っていた人だろうか。


まさか。


少女が?


「パパに頼まれた人?」


「私ではない」


少女は、笑った。


冷たい微笑みだった。


「お前だけではない。どうしても、預かりたい物があると言った」


一の葉は、真凜の手持ちのバックを見た。


「持っているのは、それだけか?」


バックの中には、重要なものはなかった。


期待したUSBもない。


「私の何かを、取りに来たの?」


「誰かから、何かを預からなかったか?」


その時だった。


「誰かいるか!」


階段を駆け上がり、ロビーに顔を出す物が居た。


「まずい」


一の葉の、顔が変わった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ