第38話 冥闇龍の囁き、蘇る影
ユイの叫びが、闇の領域に響いた。
記憶の冠冕が最大の光を放ち、霧を一瞬で払う。
影の獣たちが後退し、バルザの剣がわずかに止まる。
「この光……汝の意志か。」
バルザの黄金の瞳が細まる。
ユイは立ち上がり、剣を構える。
「みんなの記憶を……守る!」
ネルが冠冕の光に手を添える。
「今、ユイ! 冥闇龍の力を借りて!」
領域の奥から、低い響きが聞こえる。
冥闇龍の囁き。
「汝の闇を……受け入れよ。」
ユイの視界に、自身の影が浮かぶ。
忘却の記憶——母の死、ルイの別れ、過去の失敗。
「これが……私の闇……。」
ユイが勇敢に影を抱きしめる。
冠冕の光が闇と融合し、新たな力が生まれる。
「闇煌螺旋斬!」
黒い螺旋がバルザを襲う。
バルザの剣がそれを迎え撃つ。
「面白い……だが、まだ足りぬ。」
激突の衝撃で領域が揺れ、影の獣が崩壊。
3姉妹と今日子が追撃。
まゆの紅の炎、みくの碧の守護、かなの金の斬撃、今日子の幻影がバルザを包む。
スイミーがようやく正しい道具を出す。
「雷煌落拳……改!」
雷がバルザの翼を焦がす。
バルザが後退。
「ふむ……今日はここまでだ。だが、次は汝のすべてを奪う。」
バルザの姿が霧に溶け、消える。
ユイが息を吐く。
「みんな……ありがとう。」
冥闇龍の声が再び。
「汝の闇を越えた……闇命環、授けよう。」
ユイの手のひらに、黒い環が現れる。
新たな力が、ユイの体に満ちる。
だが、領域の出口で、バルザの残響が囁く。
「均衡は崩れる……夢は、壊される。」
つづく




