表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/132

第29話 記憶守護の誓い――星霊たちの暁

――風が止み、空が、澄んでいた。


セレファイスの空を覆っていた“記憶の嵐”が静まり、再び蒼穹の色を取り戻したその瞬間、ユイは空を見上げ、そっと息をついた。


「終わった……のかな……?」


だが彼女の手の中に残る“記憶の鍵”は、なおかすかに光を放ち続けていた。

忘却の銀、想起の金――この力が求める先は、まだ遠くにある。


「次なる九聖龍が、汝を待つ。」


空の彼方から響いたカゼル=アルマの声は、未来を示す風となり、彼女の背中を押す。


その傍ら、ノエルは静かに座り込んでいた。

記憶の暴走を止めたあと、彼女の体力と精神は限界に近かった。


「ノエル、大丈夫……?」


ユイが問いかけると、ノエルはうっすらと目を開き、小さく頷いた。


「……うん。ちょっと疲れただけ……。でも……心は、軽くなった。」


その表情は穏やかで、ネルとノエル、両方の記憶が融合したような優しさを湛えていた。


そこに、駆け寄ってきた3人の仲間たち――白鳥秀樹(水瓶座)、如月龍一(蠍座)、稲森晴佳(蟹座)が姿を現す。


「よかった、無事だったか!」


「ユイちゃん、ノエルちゃん、ほんと無茶するんだから!」


「でも……おかげで、セレファイスが守られた。」


彼らの言葉に、ユイは胸が熱くなる。


――私は一人じゃない。


風は仲間の心を運び、記憶を繋ぎ、未来を導いてくれる。


その時、セレファイスの地脉から、新たな震動が走る。


「これは……?」


地面の亀裂から立ち昇る光。その中に、微かな“星の鼓動”が感じられた。


ノエルが目を細め、囁く。


「……次の九聖龍が……目覚めようとしてる。」


ユイは頷いた。


「行こう。きっと、その先にまた……守るべき記憶がある。」


そして――


星都セレファイスの遥か地下、“封じられた記憶の回廊”の奥に、ひとつの影が目覚める。


「……風の後継者か。面白い……だが、記憶は希望ではない。災いにもなり得るのだ。」


その影の名は、〈夢境整序機関・第五位“メモリア=グレイヴ”〉。


記憶と忘却の狭間で、次なる戦いの予兆が静かに揺らめいていた――。


(つづく)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ