第24話 星都セレファイス―記憶冠冕と光の竜兆
九聖龍の導きにより、ユイたちはついに辿り着いた――星都セレファイス。
宇宙の古星域に浮かぶその都市は、輝く記憶の結晶で構成されていた。
空に突き立つ巨大なクリスタルの塔、星々の軌道に重なり揺らめく浮遊の回廊。
都市そのものが、記憶を巡る大いなる意志の顕現だった。
「ここが……星都セレファイス……」
まゆが息を呑む。
その瞳には畏敬と共鳴の光が宿っていた。
みくとかなは無言のまま、都市を覆う星光の結界を見上げていた。
「門を開くには、“過去”を受け入れる鍵が要る」
ネルの声が響く。
その言葉と同時に、ユイの〈風命環〉が静かに光を放ち始めた。
次の瞬間、炎の粒子が空間に浮かび、アーク・フラムが現れる。
「ここには眠っている。世界を再定義する冠――〈記憶の冠冕〉が」
セレファイスの門がゆっくりと開かれ、柔らかな光がユイたちを包む。
扉の向こうに立っていたのは、ユイと瓜二つの少女だった。
「あなたは……私?」
「違う。私は“記憶に見捨てられた、もうひとりのあなた”」
少女はそう語りかけてきた。
「夢は何? 過去を照らす光? それとも未来を縛る鎖?」
ユイは、深く息を吸いこんだ。
「夢は――誰かの記憶を癒やし、未来を紡ぐ希望。
たとえ忘れ去られた存在でも、私は共に歩む!」
その言葉と共に、星都の空が煌めきに包まれた。
空間が振動し、少女の瞳から涙が零れ落ちた。
「……ありがとう、私」
その瞬間、ユイの額に〈記憶の冠冕〉が浮かび上がる。
記憶と夢が交差する祝福の光。
「記憶の継承者。夢の戴冠者。その名は――ユイ」
星都の最奥から、光の咆哮が響いた。
“光の九聖龍”。
その気配が、ユイの内に共鳴し始めていた。
「さあ、行こう。まだ旅は終わらない」
ユイは静かに、星都の光の中心へと歩みを進めた。
――つづく




