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第23話 星都セレファイスと記憶の戴冠者

星都セレファイス――それは、かつて記憶と夢を戴く者たちが眠るとされた、伝説の宙域に存在する都市だった。


煌めく星の海を抜け、ユイたちは九聖龍の加護を受けし星舟〈アルビレオ〉に導かれ、とうとうその門前へと辿り着いた。


「ここが……記憶の星都……!」


巨大な結晶体の塔が天に向かってそびえ、星の軌道と重なりあうように浮かぶ回廊が、空間に記憶の軌跡を描いていた。


まゆ、みく、かなの三姉妹は無言でその光景に息を飲む。そしてネルが囁くように言った。


「セレファイスの門を開くには、過去と向き合う“鍵”が必要……」


その言葉と同時に、ユイの〈風命環〉が淡く光を放ち始め、火の精霊アーク・フラムが静かに姿を現した。


「この地には、“記憶の冠”が眠る……それを得る者は、かつての世界の因果すらも継ぎ直す者……」


セレファイスの門が静かに開き、星光が溢れ出る。


だが、その内部に待ち受けていたのは――

ひとりの少女だった。


彼女はユイと同じ顔をしていた。

しかしその目には、全く異なる光が宿っていた。


「あなたが……わたし?」


ユイが震える声で訊いた。


「いいえ。私は、“記憶に選ばれなかった、もう一人のあなた”。」


星都セレファイスの試練――それは、記憶の交差によって顕現する“もうひとつの存在”との邂逅だった。


「夢は、過去を照らす光か、それとも未来を縛る鎖か――あなたは、それを答えられる?」


ユイは拳を握りしめた。過去と向き合う時が来た。


「夢は、過去を癒し、未来を編むための希望……! 私は、忘れられたあなたさえも……未来へ連れていく!」


星都の光がユイの体を包み、〈記憶の冠〉がその額に浮かび上がる。


全ての星が震え、セレファイスが祝福の光を放った。


――記憶を継ぎ、夢を戴きし者。


その名は、ユイ。


そして彼女は、新たなる聖龍の力――

“光の九聖龍”の予兆を、その胸に感じていた。


つづく

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