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第2章 第9話 落ち込む少女たち

223/02/13 6:40

ギルドフォレストセイバー

食堂

アイカ視点


 俺とレイナが飯を食べ終える頃、双子がしょんぼりした顔で現れた。


「お、おはようございます」


「おはようなんだ」


 いつもは元気な2人だが。今日は別人のように元気がない。


「元気ないね」


 俺が心配そうに言うと。


「私達のせいで」


「パパとママがケンカしちゃった」


 静かに泣くクレアとアオイ。


「パパに嫌われちゃったよ」


 青髪を掴み、涙目で落ち込むクレア。


「ただ強くなったって褒められたかったのに」


 赤い髪しか見えないくらい、下を向くアオイ。


 そんな落ち込む2人にレイナが、


「あんたらのせいでお兄ちゃんが大怪我したからね。ちゃんと反省しなさいよ」


 追い打ちをかけるレイナだが。

内心あまり怒っていないようで、優しい口調で言うと。


「もちろんよ」


「分かってるよ」


 クレアとアオイが顔を上げて頷き、今度は心配そうにレイナが続けて。


「にしてもね、昨日なにがあったのよ?」

 

「俺も気になっていたよ。なんでレイキさんが大怪我したんだ?」


 気まずい顔で双子が目を合わせ、


「全部のクリスタルを回ったあとにね」


「僕たち、合体できるようになったの」


「はぁ!」


「えっ!」


 俺とレイナは当然驚いた。

だって合体ってなに?


「キスしたら1人になるの」


「そしたら強くなって」


 恥ずかしそうに言う双子に、


「流石に訳が分からない」


「ええアイカ、あたしも理解できないわ」


 当然だよな。キスしたら合体して強くなるって。人間にできるのか?

魔物ならなくも無いかもだけど。


「それとね。ママの作ったアミュレットデバイスと武器を勝手に持ち出したんだよ」


「これならパパに勝てるかもって」


「そんな事しちゃダメでしょ!」


 机をバンと叩くレイナ。


「落ち着けよ」


 咄嗟に俺がなだめると。


「そうだね。ごめん2人とも」


 双子が静かに頷き。


「でも結局勝てなくてね」


「怒ったパパにボコボコにやられたんだよ」


「それを見たミナ姉ぇが、お兄ちゃんに攻撃したのね」


 大きなため息を吐くレイナ。


「お兄ちゃんから今回の事怒らないように言われてるから、あたしは黙っておくけど」


 そう言いながら納得してない様子。


「けど次したら覚えてなさいよ」


 静かに睨むレイナ。


「ごめんなさい」


 双子が同時に謝る。


「とにかく、お兄ちゃんにきちんと謝りなさいよ。ミナ姉ぇにもだけど」


「分かりました」


「分かったよ」


 そう言って、双子がトボトボと歩いて行った。


「思ったより怒ってないね?」


 俺が聞くと。


「だって、お兄ちゃんが悪いんだから」


「どういう事?」


「うーん。話いいのか分からない。ごめん」


 難しい顔で言われたので。


「言いたくないなら仕方が無いね」


 それだけ返した。

 問い詰めたいが、気まずそうな顔を見ると出来なかったからだ。


223/02/13 7:20

ギルドフォレストセイバー

ギルド長室

ミナ視点


 レイキさんと別れを告げた後、ようやくここに帰ってこれた。


「流石に魔力が空ですわね」


 机に突っ伏して項垂れるわたくし。


「でも休んでる場合じゃありませんね」


レイキさんの事で、エドワード様に報告をしなければなりません。

ギルド長が行方不明な事は、国家にとっては一大事なので。


「朝早くから申し訳ございません」


「おお、ミナか。珍しいな」


「ええ。少し問題がありまして」


「レイキと大喧嘩したのか」


 顔に出ていたのか、察しが良い国王様。


「エドワード様の仰る通りでして」


「いつもの事だろう、連絡する程の事か」


「いえ、それがですね」


事の経緯と、レイキさんを治療の為に、セプテ家の研究施設に預けた事を報告する。


「そうか。アイツめ、そんなに弱っていたとはな」


「それなのに、わたくしがトドメを……」


 泣き出してしまう。


「ミナ、済んだことだ。今はヤツの無事を祈ろう」


「はい!」


「ところで、エリスはまだそちらにいるのか?」


 そういえばあの後から姿を見ていない。


「居ると思いますが、どうかされましたか?」


「いやな、昨夜から連絡がつかなくて」


「そうでしたか。館内放送かけますので、お呼びいたしましょうか?」


「そうしてくれ」


「かしこまりました」


 ギルド長室から館内放送をかけた。


「エリス様が来られましたら、こちらから連絡いたしますね」


「分かった、待っておる」


 通信を終えて。流石に限界が来ていたわたくしは、少しだけ寝ていたみたいだ。


「ミナ、ミナ!」


 女性の声で身体を揺さぶられ、目が覚める。


「う、うーん」


 わたくしが顔を上げると、ナミお姉様がいた。


「大変だよ、レイキがどこにも居ない!」


「れ、レイキさんが?」


 はっと目を覚ます。どうしましょう、言い訳をなにも考えていません。


「その顔、なにか隠してるね?」


「ギクッ!え、なんのことでしょうか?」


「とぼけないでよ。あの後なにかあったでしょ?」


「え、えーと。」


 お姉様は痺れを切らしたのか。

わたくしの胸ぐらを掴み持ち上げた。


「正直に言いな?あたしだって今回の件ブチギレてんだよ。あいつが可哀想で堪らないんだよ」


 怒るのも無理ないですね。

幼馴染として、わたくしがレイキさんと再会するまで。ずっと側にいたのはお姉様なのだから。


「夫婦の問題です」


「ミナ、お姉ちゃんこの際だから言うけどさ」


 息を飲むわたくし。


「アンタのこと」


 真剣な眼差しで刺され。


「大嫌いだ!」


 派手に投げ飛ばされました。


「イタタ、……そうですか」


 姉に拒絶され涙が溢れてくる。


「レイキを何処に隠した?」


「正直に話します。しかし、他言無用でお願いします」


 わたくしはお姉様に、レイキさんの容態や今セプテ家の本邸にいることを打ち明けた。


「そ、そんな。ミナ、アンタのせいだろ!お前が死ねば良かったんだよ!」


 お姉様がわたくしの首に手を掛ける。


「まだ死ぬ訳に行きませんのよ、レイキさんを治療しないといけませんからね」


 彼が治るまで死ねない。

治したら彼に殺されよう。

わたくしが出来る精一杯の償いだ。


「ふんっ!」


 ようやく手を離すお姉様。


「ちゃんと責任取りなさいよ?でないと承知しないんだからね!」


 そう言って部屋から出ていった。


「怒られてしまいましたわ」


 ヘタリと座り込むわたくし。


「そういえばエリス様まだ来ませんね」


 放送から30分程寝ていたようだ。

それなのに来ない。


「ギルドにいないのかしら?」


 エドワード様に報告しようと、アミュレットデバイスを取り出すと。

シアさんから通信が入りました。


「こちらミナです」


「大変です!エリス様のアミュレットデバイスが!」


「どうされたのです?」


「この街と城下町の間の街道に落ちてました」


 冷や汗が滝のように出る。


「まさか魔物に……」


 最悪の事態が脳裏を駆け巡り冷や汗をかく。


「分かりません。捜索隊を出すべきだと」


「ええ、ですが除名されたとはいえ、元王女様です。話を大きくしない為に、必要最低限のメンバーで捜索します」


「分かりました。ですがどなたが捜索されるのです」


「記憶喪失のミプリヴァリナーに頼りますわ」


 連続で申し訳ないが、アイカさんに頼もう。

他の方のほうが、実績や実力はありますが。

なにせ、わたくし嫌われてまして。


「アイカさんしかいないですね」


 レイキさんにしか心開いてないので、どう頼れば良いのか分かりかねますわ。

 

レイキさんの名を出して協力も、本人不在なので得られませんね。


 大きなため息を吐き。

考えても仕方が無いので、アイカさんの部屋へ向かった。



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