第7章 火曜 14:00〜16:00(泥沼の個別尋問劇)
第7章:火曜 14:00〜16:00(泥沼の個別尋問劇)
14時。「本物のブツ」が一階男子トイレで見つかってから、店内の緊張感はピークに達していた。
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長山店長は完全に理性を失い、1人ずつスタッフをバックルームへ呼び出しては、支離滅裂な詰問をグルグルと繰り返していた。
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(店長は『遥ちゃんが性的被害に遭った』と決めつけているから、七海先輩や一階の木本さんのことは最初から容疑者として見ていない。男スタッフだけを片っ端から呼び出しては吊し上げているんだ……。本当に視野が狭くて浅はかな男だな)
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【14:10〜 新田の尋問】
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「俺じゃないッスよ!! なんで俺ばっかり疑われてんすか!?」
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バックルームのドア越しに、新田の荒々しい怒号が漏れ聞こえていた。
二階のレジ横で、僕は腕を組みながらその声に耳を澄ませていた。
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「じゃあ新田、君があのブツをトイレで発見した時の状況をもう一度説明しなさい!」
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パイプ椅子に座らされた新田は、額に青筋を立てて店長に食ってかかっていた。
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「だから! 男子トイレの個室のサニタリーボックス……ゴミ箱の一番上に、ぐるぐる巻きにされたトイレットペーパーと一緒にポイって捨てられてたんスよ! 俺はただ掃除してて見つけただけッス! なのに発見者の俺を疑うとか、マジで意味分かんねぇ!」
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「君は日頃から遥ちゃんにお尻のラインがどうとかセクハラ発言をしていただろう!? 今朝も一階の指示を聞かずに二階へ上がって遥ちゃんに絡んでいた! 理由ならいくらでもある!」
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「俺はただ軽口叩いてただけッスよ! 大体、疑うなら山田先輩だってさっきバックルームで遥ちゃんのズボン脱がせて二人きりになってたじゃないすか! なんで俺ばっかり犯人扱いなんすか!?」
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「山田は遥ちゃん本人が『一切触られてない、綺麗に縫ってくれただけ』ってハッキリ証言して庇っただろ! お前は遥ちゃんに問い詰められても黙られてるじゃないか!」
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「うぐっ……! そ、それは……っ!」
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一瞬言葉に詰まった新田は、すぐに血走った目で別の獲物を探し始めた。
「だ、大体! 疑うんなら休みの笠原だろ!! あいつ昨日、最後まで山田先輩と残ってたじゃないすか! あいつ、普段は能天気な顔して陰でお尻フェチなこと言ってましたよ!? 今日連絡がつかないのも、後ろめたいことがあるから逃げてんのに決まってるじゃないすか! 遥ちゃんとよろしくやって、用が済んだらいなくなったんだ! 絶対そうだ!」
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新田は自分の保身のためなら仲間すら平気で売り渡す。その見え透いた嘘と擦り付け合いの発言に、扉の外で聞いていた僕は激しい嫌悪感で吐き気がした。
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「笠原に罪を擦りつけるな! 新田、出て行きなさい! 次、三田を呼んで来なさい!」
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【14:30〜 三田の尋問】
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不貞腐れた顔で出てきた新田と入れ替わりで、三階から降りてきた三田が、静かな足取りでバックルームへ入っていった。
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「三田……君は三階の死角が多い売り場を担当しているね。何か……何か見ていないかい?」
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店長はすがりつくような目で三田を見つめた。だが、三田は表情一つ変えず、無機質な声を淡々と返した。
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「店長。僕は自分の担当エリアであるサブカル・グラビアコーナーの棚卸しと補充に集中していました。他人の私生活や店内での不貞行為に興味はありません」
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「興味がないじゃないんだよ! 遥ちゃんのチノパンが破れて、コンドームの空き袋と使用済みのブツが見つかったんだぞ!」
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「見ていません。ただし……」
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三田はフッと、眼鏡の奥の瞳を冷たく光らせた。
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「昨日の19:40頃、笠原が一階の女子トイレ付近をウロウロしていたのは覚えています。また、新田が一階の作業を放棄して二階の遥さんに接近した回数は、本日だけで14回。……ついでに言えば、山田さんが更衣スペースのカーテン越しに遥さんのチノパンを補修していた時間は9分42秒です。彼らの行動パターンは極めて不審ですが、僕には関係ありません」
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「じ、14回……!? 9分……!? 昨日笠原がトイレ付近に……!?」
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三田は観察データを淡々と口にするだけで、周囲の男たちの愚かなドタバタ劇を心底見下しているのが、その冷ややかな口調から伝わってきた。
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「笠原が……新田の言ってることは狂言じゃなくて、本当に犯人は笠原なのか……?」
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「僕の尋問はこれで終わりですか? 売り場に戻ります。……あ、次は僕が遥さんを呼んできましょうか」
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【14:50〜 三田の不気味な接近と錯覚の脅迫】
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バックルームを出た三田は音もなく忍び寄ると、二階の文庫棚の前で作業していた遥ちゃんの背後に立った。
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「遠山さん。店長がバックルームで呼んでるよ」
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「あ……はい。わかりました、三田さん」
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遥ちゃんは少し怯えたように肩をすくめ、持っていた文庫本を置こうとした。その時――三田はすっと顔を近づけ、遥ちゃんの耳元に唇を寄せた。眼鏡の奥の瞳は、一切の光を宿さずに濁っている。
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「……後で、僕と少し話をしてくれないか」
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「え……? 三田さん……?」
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「僕は……知っているんだよ」
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三田の脳内では、今日の午前11時10分頃の出来事が鮮烈に再生されていた。派手なブランド服を纏い、金髪を遊ばせたホスト風の若い男。そして、その横にくっついて歩くキャバ嬢風の女『ジュンナ』。「うわ、この店マジでシャレてるぅ〜」と大声で話していた不快な客たちだ。
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(あのホスト風の男だ……。あの男と、君は一階の奥で仲良く話していただろう……。感情豊かな君の顔つきからして、ただの客じゃないはずだ。そして男がトイレに向かった直後、君も姿を消した……)
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三田の脳内で、嫉妬と常軌を逸した空想がドロドロと結合し、勝手なストーリーを作り上げていた。
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(ジュンナを連れていたあの男と、一階のトイレで何をしてきたんだ……? 3人で楽しんだのか? あの狭い個室で、あの男にお椀型の美しい乳房を触らせ、させたんだろう……? だからチノパンが破れ、使用済みのブツがゴミ箱に残されていたんだ……。そうだろう、遥ちゃん……)
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自分だけの「聖域」だった遥ちゃんの胸が汚されたという凄まじい絶望。だが同時に、その「秘密」を自分が握っているという歪んだ優越感が、三田の口元を不気味に歪ませていた。
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「……黙っていてほしかったら、後で僕の言う通りにするんだよ」
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低く粘着質声でボソッと囁かれた言葉。
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「……え……? あの……三田さん、一体何のこと……?」
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遥ちゃんは心底訳が分からないというように、大きな瞳をパチクリとさせて首をかしげた。
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「遥、どうかしたの?」
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不審な気配に気づいた七海先輩が間に入り込み、三田を氷のように冷たい眼光で睨みつけた。
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「……なんでもありません。店長が待っていますから、早く行ってあげてください」
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三田は表情を一瞬で消し去ると、何事もなかったかのようにすっと踵を返し、三階へと消えて行った。
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「遥、あの男の言うことなんて気にしなくていいわ。行きましょう」
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「あ……はい、七海先輩……」
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遥ちゃんは困惑した表情のまま、七海先輩とともにバックルームへと向かって行った。
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【15:00〜 遥と七海先輩の聴取】
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「遠山さん、笠原か? 笠原なのか!?」
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「店長。遥にこれ以上、当時の状況を思い出させて責めるような真似はやめてください」
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バックルームに入ると、七海先輩はパイプ椅子の前に立ち上がり、怯えて肩を震わせる遥ちゃんをかばうように立ちはだかった。
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「七海…いや、近藤さん……でもね、被害に遭った遥ちゃん本人の口から話を聞かないと、真実が分からないじゃないか……」
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「真実も何も、遥は急にチノパンの縫い目が弾けて驚いただけです。幸い、山田さんが親切に縫い直してくれましたし、実害はありません。男たちが勝手にバックルームやトイレで破廉恥なものを散らかして、それを遥の被害と結びつけて騒ぎ立てているだけでしょう?」
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「なっ……騒ぎ立ててるなんて失礼な! 僕は店長として、この店舗の安全と秩序を守るために――」
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「秩序? 警察を呼ぶのが怖くて、スタッフを疑って1人ずつ吊し上げることが秩序ですか? 相変わらず自分の保身しか考えてないんですね」
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七海先輩の氷のように冷たく、論理的な正論。店長はぐうの音も出ず、「くっ……でも…近藤さん……」と爪を噛みながらオロオロと後退りするしかなかった。
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「遥、行きましょう。もうこんな不毛な取り調べに付き合う必要はありません」
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「……はい、七海先輩……っ」
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遥ちゃんは目元を真っ赤にし、可憐な泣き顔で胸元を押さえながら、七海先輩に付き添われて部屋を出て行った。
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【15:20〜15:45 再び山田(僕)の尋問と、店長の限界】
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「山田……っ! もうダメだ……俺はどうすればいいんだ……っ!」
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「七海が、いや、近藤さんが…俺と別れてから俺にずっと冷たい態度取るし…」
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「近藤さんはずっとああいう感じですけどね」
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「違うぞ山田! 七海はやさしいんだ! そして情熱的だ! キスもうまかった!」
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「そういう余計なことを俺らに言うからフられたんでしょ? また口滑ってますよ。店長ってメンタル弱いですよね。弱ってくるとすぐ本音が出ちゃう」
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「そうだよ、俺はメンタル弱弱だよ。だから……だからこれ以上俺を苦しめないでくれぇ!」
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午後16時手前。本日「4回目」の呼び出しを受けた僕の前で、長山店長はついにパイプ椅子に崩れ落ち、頭を抱えて泣き叫び始めていた。
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新田は笠原に罪を擦り付け、三田は無機質な観察データを突きつけて去り、七海先輩には毅然と拒絶され、警察も呼べない。保身の塊である店長のキャパシティは、完全に限界を超えてパンクしていた。
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「山田……君だけが頼りだ……! 昨日、笠原と最後に帰ったのは君だろう!? 笠原が何か隠しているはずなんだ! あいつに電話してくれ! 出るまでかけ続けてくれよ……っ!」
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「店長、落ち着いてください……!」
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涙目になって僕の服の袖にしがみついてくる店長。その惨めな姿を見下ろしながら、僕の胸の中には、ドロドロとした暗い優越感が渦巻いていた。
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(……誰も頼りにならない。オロオロと泣き喚く店長も、自分の保身で笠原に罪を擦り付ける新田も、不気味に観察するだけの三田も……全員、醜く汚れ切っている)
僕の脳裏には、さっき僕が手縫いで救ってあげた、可憐な遥ちゃんの姿が鮮烈に浮かんでいた。
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(遥ちゃんが心から頼れる男は……この店で僕しかいない。昨夜、彼女の生足で自慰をしてしまったという罪。でも、それもすべて今日、僕が彼女をこの泥沼から救い出すための『運命の試練』だったんだ)
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店長のオロオロしたパニックすらも、自分都合のヒーロー願望を補完するための「引き立て役」として脳内変換し、僕は不敵に胸を張った。
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「分かりました店長。僕が笠原に連絡を取ってみます。そして……僕が必ず、この事件の真実を暴いて見せますから」
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16:00。密室と化した古本屋で、男たちの身勝手な自惚れと見当違いの不信感が、ついに最悪のピークに達しようとしていた――。
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第8章へ続く




