第5章 火曜 11:30(事件の勃発とバックルームのゴミ箱)
午前11時30分。店内の空気は、一瞬にして冷え切った。
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「きゃっ__! やだ……なにこれ……っ!?」
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二階の文庫本コーナーから、遠山遥ちゃんの短く悲痛な悲鳴が響き渡った。
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(遥ちゃん……!?)
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三階の吹き抜け手すりから身を乗り出していた僕は、心臓が跳ね上がるのを感じた。すぐさま階段を駆け下り、二階の棚の前へと急ぐ。 そこには、棚の脇で崩れ落ちるように屈み込み、自分の腰元を必死に両手で隠して小さく震えている遥ちゃんの姿があった。
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「どうしたの遥ちゃん!? 大丈夫か!?」
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僕が声をかけると同時に、隣の通路から七海先輩と、ヘラヘラした顔の新田が駆け寄ってきた。
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「遥、どうしたの? 何があったの?」七海さんが眉をひそめて腰を落とす。
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「七海先輩……っ、私……チノパンが……っ」
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遥ちゃんは泣きそうな顔で両手を少しだけ退けた。
彼女が今日穿いていた私服のベージュのチノパン__そのお尻の縫い目が、股から臀部にかけて、縦に豪快に裂けていたのだ。中の下着が見えそうになるほどの痛々しい破れ方だった。
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「うわっ__! マジかよ、下着丸見えじゃん! 遥ちゃん、それ破れすぎだって!」
「ラッキースケベの日かな?今日は?」
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新田が速攻で目を輝かせ、下品な声をあげながら距離を詰めて覗き込もうとした。
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「新田、見ないで! 邪魔だから向こう行って!」
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七海さんが鋭い声で新田を突き飛ばし、自分のエプロンを外して遥ちゃんの腰に巻きつけた。
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「大丈夫よ、遥。エプロン巻いたから見えないわ。……でも、どうしてこんな破れ方……? さっきまで普通だったでしょ?」
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「私……分かりません……っ。棚の下段に文庫を入れようと屈んだら、突然……バリッて……」
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遥ちゃんは大きな瞳に涙を溜め、肩を絞り出すように揺らしている。
その光景を横で見ていた僕の脳内は、猛烈な過熱と錯覚を起こしていた。
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(……チノパンの破れ……!? ちょうど一週間前、僕が三階で起こしたあの事故と同じじゃないか……! あの時、遥ちゃんは『手先が器用なんですね』って僕を褒めてくれた。そして『今度もし遥ちゃんの服の縫い目が怪しくなったら、僕が直してあげるよ』と約束したじゃないか! 彼女は、僕に助けを求めているんだ……!)
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自分の過去の失態と、目の前の遥ちゃんの悲劇が脳内で強引に結びつき、僕は謎の全能感に包まれていた。
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(新田だ__! 間違いない、新田のやつがさっき品出しの手伝いにかこつけて、遥ちゃんのチノパンに嫌がらせをしたんだ__! 今こそ、僕が彼女を守るヒーローとして立ち上がる時だ!)
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「おい新田! お前、さっき遥ちゃんに馴々しく絡んでただろ! お前が何かしたんじゃないのか!?」
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「はぁぁぁ!? 山田先輩、なに冤罪かけてんの!? 俺は何も触ってねーし! 勝手に生地が破れただけだろ! 俺を犯人扱いすんじゃねーよ!」
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「なっ……しらばっ気るな! お前が日頃から遥ちゃんのお尻ばかり見てセクハラしてるから――」
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「はいはい、二人とも喧嘩はやめなさい! 売り場で大声出さないの!」
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二人の言い争いを遮ったのは、オロオロと階段を上がってきた長山店長だった。店長は泣きそうな顔で頭を抱え、僕と新田、そして七海さんに抱えられた遥ちゃんを交互に見つめている。
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「な、なにがあったんだい……? 遥ちゃん、大丈夫……? 警察とか呼ぶような大事じゃないよね……? 着替えもないし、売り場に出られないんじゃ……」
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「大丈夫です、店長」
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僕は一歩前に出て、驚くほど冷静で、かつ慈愛に満ちた声を響かせた。
「バックルームの救急箱の隣に、僕の店舗用の裁縫セットがある。先週大恥かいたから、いつ破れても構わないように備えておいたんです。僕が、今からバックルームで遥ちゃんのチノパンを直してあげれます」
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「は、はい!?」
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「僕は自分のヴィンテージ古着をいつも補修していますから。お尻の縫い目くらいなら、数分で元通りにできます。……遥ちゃん、さすがに穿いたままだと縫えないから、バックルームの更衣スペースで一旦それを脱いで、僕に渡してくれないか? その間、エプロンをバスタオルのように腰に巻き付けて待っていてくれるかな?10分もかからないと思う」
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遥ちゃんが一瞬ハッとしたように目を見張り、隣の七海先輩とほんの一瞬だけ、奇妙に冷たい視線を交わした__ように見えた。だが、彼女はすぐに消え入りそうな声で「……お願いします、山田さん。私、本当に困ってて……」と深く頭を下げた。
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(ああ__! 頼りにされている! 今、僕と遥ちゃんの間には、他の誰にも踏み込めない『絆』があるんだ!)
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僕たちはバックルーム(スタッフルーム)へと移動した。 更衣スペースのカーテン越しに遥ちゃんから手渡された、まだ彼女の体温が微かに残るチノパンを、僕は震える手で受け取った。心臓が破裂しそうなほどの興奮と、背徳的な歓喜が押し寄せる。
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(いい匂いがする…鼻を擦り付けてクンクンしたい衝動に駆られそうになる…)
(しかし、そんなことをしてみろ。変態だ。『僕は変態です』って公に晒すようなもんだ)
(落ち着け……これは彼女を救うための『聖戦』だ。煩悩は捨てろ!捨てるんだ!!今は僕の技術を、すべてこの一針に込めるんだ!だから煩悩よ、去れ!!)
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僕はバックルームの丸椅子に座り、針にベージュの糸を通すと、破れたチノパンの臀部から股にかけての裂け目を、狂気的なまでの集中力で縫い合わせ始めた。
一針、一針。彼女の存在を、その温もりを、自分の指先で修復していくかのような、甘美な全能感。
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「山田さん……大丈夫ですか……?」
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「大丈夫だよ、遥ちゃん。もうすぐ終わるからね。これでもう、何事もなかったかのように仕事に戻れるよ」
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「……本当に、ありがとうございます」
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わずか十分後。僕が完璧に、そして頑丈に縫い合わせたチノパンを受け取った遥ちゃんは、更衣スペースで穿き替え、カーテンから出てきた。破れ目は綺麗に塞がり、言われなければ補修したことすら分からない仕上がりだった。
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「すごい__! 本当に、元通りです__! これで普通に売り場に戻れます……! 山田さん、本当にありがとうございました……!」
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「どういたしまして。僕が言った通りだろ? 遥ちゃんは、僕がずっと見守っているからね」
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遥ちゃんは深々と頭を下げ、それからいつもの素直な顔に戻って、二階の売り場へと戻っていった。
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僕は指先に残る感触を噛み締めながら、無上の全能感に満たされていた。
(やり遂げた__! 僕は彼女の尊厳を、この手で守り抜いたんだ!)
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__だが、事件はここで第二段階へと突入する。
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遥ちゃんを見送り、七海さんが「冷たいお茶でも淹れましょうか」とゴミ箱の脇を通りかかった時のことだ。
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「……あれ? 店長、これ……何ですか?」
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七海さんが、ゴミ箱のフチに引っかかっていた小さなプラスチックのゴミを指差した。
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「え……? ゴミ……? ただの買い食いのゴミじゃないのかい……?」
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店長がおそるおそる覗き込み、それをつまみ上げた。
縦5センチ、横5センチほどの、銀色のアルミフィルムの破片。
端がビリリと破られている。
――それは、市販のコンドームの『空き袋(外装)』だった。
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「「「「……ッ!?」」」」
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スタッフルームに、息をのむような静寂が落ちた。
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「こ……コンドームの……空き袋……!?」
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店長の顔から血の気が引いていく。手にしたフィルムの破片が、ガタガタと震え出した。僕の頭の中の全能感も、一瞬で凍りついた。
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(え……っ!? なんだよこれ……!? さっき僕が遥ちゃんのチノパンを縫っていたこの部屋のゴミ箱に……なんでこんなものがゴミとして捨ててあるんだ……っ!?)
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「な、なんでこんなものが……関係者以外立ち入り禁止のバックルームにあるんだ……!? だ、誰だ!? 店舗のバックルームでこんな不貞行為をした奴は……っ!?」
店長の目は血走り、真っ先に僕を激しく睨みつけた。
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「山……山田ぁぁぁっ!! お前か……!? お前だなっ!?」
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「えっ……!? ぼ、僕ですか!?」
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「当たり前だろ!! さっきお前、遥ちゃんに『脱いでくれ』って言ってここでズボンを脱がせてただろ!! 裁縫なんて口実で、お前、チノパンを脱がせたのをいいことに遥ちゃんを襲ったんじゃないのかっ!?」
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「違いますよ店長!! 滅茶苦茶なこと言わないでください!! 僕は彼女のチノパンを直して救ったヒーローなんです!!」
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「ヒーローってなんだよキモいな! ズボン脱がせてバックルームで二人きりになってたのは事実だろ!!」
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騒ぎを聞きつけたのか、新田まで一緒になってギャーギャーと叫び始める。
まるで『どっから湧いてきたのか』と疑うくらい気付けば新田はそこにいた。
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僕が必死で冤罪を叫んでいると、騒ぎを聞きつけたのか売り場から戻ってきた遥ちゃんが慌てて手を振り、僕を庇ってくれた。
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「店長、違います! 山田さんは更衣スペースのカーテン越しに服を受け取って、本当に数分で綺麗に縫い合わせてくださっただけです! 私はその間、ずっと更衣スペースにいましたし、山田さんは私に一切触れてもいません!」
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「ほ、本当に……? 襲われてないかい……?」
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「はい! 見てください、こんなに綺麗に直していただいたんです!」
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遥ちゃんが見て下さいと言わんばかりに店長に自らお尻を向けた。
遥ちゃんに縫い目が綺麗に整ったチノパンを見せられた店長は、毒気を抜かれたように「う、うむ……確かに凄く綺麗に直ってるな……」と呟き、バツの悪そうな顔で咳払いをした。
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(ふぅ……危なかった。だが遥ちゃん、僕を信じて庇ってくれてありがとう……! やっぱり僕と君は心で通じ合っているんだ!)
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疑いが晴れ、再びヒーローとしての自惚れに浸る僕。だが、僕への疑いが消えたことで、店長の血走った目はすぐさま別の方向へと向けられた。
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「じゃあ山田じゃないなら……誰なんだよ!? 新田、お前か!? それとも……昨日ここで最後に締め作業をして、今日電話に一切出ない笠原なのか……!?」
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「だから俺じゃねえって言ってるだろ!!」と怒鳴る新田。
オロオロとパニックを加速させる店長。
不安そうに身を寄せ合う遥ちゃんと七海さん。
容疑者から外れた僕は、胸のポケットのボールペンを握り直し、怒りと疑問を募らせた。
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(一体誰だ……? さっき僕が遥ちゃんのチノパンを縫ったばかりのこの部屋で、こんな悪趣味で不快なイタズラをする奴は……!?)
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胸の中にふつふつと怒りが湧き上がる。……だが、待てよ。 破れたチノパン。そして、このコンドームの空き袋。 店長が青い顔で叫んだ言葉が、僕の脳裏で嫌な音を立てて渦巻き始めた。
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(まさか……いや、そんなはずはない。だが、もしも本当に誰かが、僕の預かり知らないところで遥ちゃんに不躾な真似を……!?)
一度浮かんだ最悪の妄想が、僕の頭を激しく侵食していく。
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(フッ……許されない。犯人は新田か、それとも姿を消した笠原か……。僕がこの事件の真相を暴き、彼女を脅かす真犯人を追い詰めて見せる!)
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この2つの出来事が、男たちの醜い欲望と激しい思い込みが絡まって、完璧に作動し始めていた__。
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第6章へ続く




