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第2話 反董卓連合と、呂布という最強の問題児

今回は反董卓連合から、貂蝉の連環の計、呂布の退場までです。

最強武将が出てきますが、信用がなさすぎて人生が詰みます。

能力値が高くても人望がゼロだと、だいたい最後に縛られます。


第四章 ~ 反董卓連合 ~ 全員バラバラで草 ~


董卓の暴政に、各地の諸侯がブチギレた。


曹操が発起人となり、反董卓連合が結成された。参加者は十八路の諸侯。盟主は名門・袁紹えんしょう


名簿だけ見れば最強オールスターだった。


だが実態は――


袁紹:「俺が盟主だけど、前に出るのは嫌」

袁術(えんじゅつ・袁紹の弟):「兄貴ムカつく。俺のほうが名門」

公孫瓚こうそんさん:「北方のことで忙しい」

劉表りゅうひょう:「荊州から出たくない」

その他大勢:「様子見しよう」


全員やる気がない。


唯一マジで戦う気だったのが曹操と孫堅。あとは劉備三兄弟。


ここで名場面が生まれる。


董卓軍の猛将・華雄かゆうが連合軍の将を次々と斬り殺していた。


「誰か華雄を倒せる者はおらんのか!」と袁紹。


「俺が行く」


手を挙げたのは関羽。


だが関羽の肩書きはただの「弓兵隊長」。諸侯たちは鼻で笑った。


「一介の弓兵隊長ごときが……」


曹操だけが関羽を見て言った。


「行かせてやれ。温かい酒を用意しておく」


関羽は馬を走らせた。


そして――酒が冷める前に華雄の首を持って帰ってきた。


「……」


諸侯、沈黙。


これが「温酒斬華雄おんしゅざんかゆう」。三国志屈指の名シーンである。


さらに連合軍の前に立ちはだかったのが、最強の男・呂布。


虎牢関ころうかんで呂布が暴れ始めると、誰も止められない。


「おらァ! かかってこいやァ!」


一人、また一人と諸侯の武将が弾き飛ばされる。


そこに飛び込んだのが張飛。


「面白え! 俺がやる!」


張飛 vs 呂布。五十合打ち合って決着がつかない。


そこに関羽が参戦。二対一でも呂布は互角に戦う。


最後に劉備も加わり、三対一。


三英、呂布を戦う。


呂布はさすがに不利と見て撤退した。逆に言えば、三対一でようやく撤退させるのが精一杯だった。


この男のバグっぷりがわかるだろう。


しかし連合軍はここから内部崩壊。各諸侯がそれぞれの思惑で動き始め、結局バラバラに。


曹操だけが単独で董卓を追撃したが、伏兵にやられて大敗。命からがら逃げ帰った。


連合軍は解散。


なんだったんだ。


第五章 ~ 貂蝉と連環の計 ~ ハニートラップは最強兵器 ~


董卓をどうにかしたい。


そう考えたのが朝廷の老臣・王允おういん


だが軍事力では勝てない。董卓には呂布がいる。


ならば――内部から壊す。


王允が用意した秘密兵器。


貂蝉ちょうせん


王允の養女にして、絶世の美女。中国四大美女の一人。


作戦はシンプルだった。


まず貂蝉を呂布に会わせて好きにさせる。次に貂蝉を董卓に献上する。すると呂布は「俺の女を親父に取られた!」とキレる。


連環の計。


父子の間に美女という楔を打ち込み、関係を破壊する。


実行。


呂布は貂蝉に一目惚れした。「結婚しよう」とまで言った。


ところが翌日、貂蝉は董卓の屋敷に送られた。


呂布「は?????」


貂蝉は呂布の前で泣いた。


「あなたに会いたいのに、董卓様が離してくれないの……」


呂布は方天画戟を握りしめた。


董卓の前でも貂蝉は泣いた。


「呂布様が私に言い寄ってくるの……怖い……」


董卓はブチギレた。


「あのガキ……!」


完璧な二枚舌。貂蝉の演技力はアカデミー賞レベルだった。


決定的だったのが、呂布が董卓の屋敷の庭で貂蝉と密会しているところを董卓に見つかったシーン。


董卓は呂布に方天画戟(呂布自身の武器)を投げつけた。


もう親子関係は修復不能。


最終的に呂布は王允と共謀し、董卓を暗殺した。


董卓は朝廷に呼び出され、呂布の矛に突かれて絶命。


そしてここで、先ほどの「董卓はデブ」という伏線が回収される。


董卓の死体は街路に晒されたのだが、脂肪が多すぎて、死体のへそに灯心を刺して火をつけたところ――


三日三晩燃え続けた。


人間ロウソク。


三国志演義で最も「えぇ……」となるシーンの一つである。


第六章 ~ 呂布という男 ~ 最強なのに人望ゼロ ~


董卓亡き後、呂布は独立勢力となった。


だが呂布の人生はここからが本番の転落劇である。


呂布の戦績だけ見れば最強。一対一なら誰にも負けない。赤兎馬に乗って方天画戟を振るう姿は「人中の呂布、馬中の赤兎」と讃えられた。


だが――


裏切る。


誰かに仕えては裏切り、助けてもらっては裏切り。


丁原を裏切り、董卓を裏切り、張楊に身を寄せては離れ、袁術に頼っては喧嘩し、劉備に徐州を借りてはそのまま乗っ取った。


転職回数が多すぎてどこも雇ってくれない人。


しかも致命的に酒と女に弱い。


最後は曹操に包囲され、部下の裏切りで捕まった。


捕まった呂布は曹操に命乞いをした。


「俺を配下にしてくれ。俺とあんたが組めば天下は取れる」


曹操は一瞬考えた。確かに呂布の武力は魅力的だ。


だが隣にいた劉備がボソッと言った。


「曹操殿。呂布が丁原と董卓にどうしたか、お忘れですか」


――つまり「こいつ養父を二人殺してますよ」。


曹操「処刑」


呂布「劉備てめーーーーーーーーッ!!!」


三国志最強の男は、縛り首であっけなく退場した。


教訓:いくらスペックが高くても信用がなければ終わる。


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