第2話初めましてのナポリタン
「ふむふむ、酒も持っていくのか。小人たちの作る酒も美味いからのぅ。」
『小人さんたちが手伝ってくれるからいつも充実した食事ができるんだよねー。』
『ありがとうー!』
<えへへ。>
<安全地帯とご飯をくれる猫さんたちのおかげだよ。>
微笑ましいものを見る目で見つめる物知りじいちゃんなドラゴン。嬉しそうな猫とフェレット。そんな猫のフェレットの周りをクルクル回る小人たち。
<屋台!>
<お野菜!>
<燻製肉!>
<お酒ー!>
<<<<用意かんりょー!>>>>
「おお、頼もしい小人たちじゃのう。アイテムボックスの中に入れるとするかのう。」
アイテムボックスの中に入れていく物知りじいちゃんなドラゴン。お手伝いする猫とフェレットと小人たち。
<これでぜんぶー!>
「助かるのぅ。」
『姉ちゃん、村ってなんだろ。』
『うーん、人が住んでる場所としか…』
『楽しそう!』
「これこれ楽しそうじゃないぞ。」
『はーい。』
「さて、屋台を押して行くかのう。」
『歩いて何時間かかるの?』
「大体三日はかかる。」
『長ーい!』
「ドラゴンの状態で行くのもありじゃが…何せわしが飛んだだけで騒がしくなるからのう。」
『じいちゃん怖くないのにー。』
「仕方あるまい。」
人間に変身した物知りじいちゃんなドラゴンは屋台を押していく。手伝おうとするがジジイに任せておけというので大人しく屋台に乗る猫、フェレット、小人たち。
『おじいちゃんありがとう。』
「なぁにまだまだわしは現役じゃ。」
<ご飯ー!>
『今日はパスタにしよう!』
『わーい!パスター!』
「おお!パスタか!楽しみじゃわい!」
三日間連続でパスタにも関わらず飽きることはなく食べ続ける物知りじいちゃんなドラゴン、フェレット、小人たち。そして三日間の月日を得てたどり着いたのが名も無き辺境の村である。
「お、こんな所に売りに来るたぁ。変わった連中だな。」
この村の警備兵か、物知りじいちゃんドラゴンの前に立っていた。
「野菜などを売りに来たんじゃ。」
「なに?!そりゃ助かる!うちの村じゃ作物が全滅しちまってなぁ…」
『こんにちは!』
『こんにちは!』
「…お?おお?変わったやつがいるな。あんたの魔物か?」
「失敬な。わしの孫じゃ。」
「お、おう…まあ深いことは聞かねぇが。野菜かぁ…何日ぶりだろうなぁ。どんなのがあるんだ?」
「そうじゃのう。猫、何がある?」
『トマト、キャベツ、ナス、ピーマン、玉ねぎがあるよ。』
「い、意外と多いな。」
「わしのアイテムボックスがあるから腐っとらんぞ。」
「まじか…レアスキルじゃねぇか。早速だがなんか買う。」
屋台を置いてアイテムボックスから野菜、燻製肉、お酒(バーボン、ワイン)、加工商品(ケチャップ、イチゴジャム、ピクルス)を置いていく小人たち。驚愕する警備兵。
「こんなに出すなんて凄いなぁ。商人でもここまで出さねぇぞ。」
「わしのアイテムボックスのおかげじゃのう!」
『トマトどうぞー。』
「…赤いなぁ…食べられるのか?」
『美味しいよ!はむっ!あまーい!』
「…そんなに美味いのなら食べてみるか。」
この時代においてトマトとは毒のある食べ物だと信じられており、食べられるとは思ってない者が多いのだとか。警備兵が警戒しながら食べる。
「う、うめぇ!こんなみずみずしい野菜食べたの初めてだ!」
「警備兵さん何をして…屋台?!」
村人たちが驚愕しながら屋台を見ていた。トマトを美味しそうに食べる姿を見て野菜を買っていく主婦の皆さん。
「こんなみずみずしい野菜を見たのは初めてだよ!」
「安いし何より燻製肉も買えるだなんて!」
「酒もあるぞ!」
『順番でーす!』
『合計銅貨十枚です!』
「酒は…」
『銀貨一枚!』
「やっす!買う買う!」
「ちょっと高いジャムってやつ甘いねー。」
<パンに塗ると美味しい!>
「本当かい?!硬いパンだから助かるよー!」
次々に買っていく主婦たち…だが一向に売れないものがあった。それがケチャップである。
『ケチャップ買わないね。』
『うーん…そうだ!すみませーん!』
お金を手に、近くにあった乾物屋へと向かう。暇そうにしている若者は顔を覗かせていた。
「なんだ来たばかりの奴らじゃないか。」
『これください!』
「売れないものを買ってどうすんだ…まあいいや。銅貨一枚な。」
『やった!パスタ麺GET!』
『ケチャップを使った料理にするの?!』
『うん!』
先ずは鍋を出してもらい、持ってきた水を入れていく。魔法で火をつけてもらい。沸騰させていく。沸騰し終えたらパスタ麺を投入。その間に油でひいたフライパンで切ったベーコン、ピーマン、玉ねぎを投入からの焼いていく。
「な、何を作るんだ?」
『ナポリタンです!』
『ナポリタンだー!』
<ナポリタン!>
「おお!ナポリタンか!」
「…なぽりたん?」
パスタが柔らかくなったのを確認し、ザルにうつし、湯切りする。焼いているベーコン、ピーマン、玉ねぎにケチャップを投入。軽く焼いたらパスタを投入、そしてケチャップも入れて焼く。
『いい匂いー!』
『うん、いい匂いだね。はい完成!ナポリタン!』
『わーい!食べていい?』
『その前に手を洗う。』
『はーい!』
<小人たちもほしい!>
『どうぞー。』
<はむっ、美味しい!>
<猫の作る料理好きー!>
「わ、わしも。」
『どうぞ!あ、お兄さんもどうぞ!』
乾物屋の若者は皿に盛り付けられたナポリタンを受け取り、恐る恐る食べる。目を輝かせてフォークで食べていく。
「うめぇ!あの人気のないパスタが!こんなに!」
「お兄ちゃんだけずるい!僕たちも!」
「母さん!作ってー!」
「はいはい、じゃあケチャップを貰おうかねぇ。」
『まいどありー!』
『お兄さん!パスタありがとう!』
「…おう。」
後にこの村はナポリタンと呼ばれるまでのナポリタン好きになるのだった。
ナポリタンに粉チーズをかけて食べる人はいませんかー!私はかけたりする派でーす!




