第1話たまごサンドとシーザーサラダ
ここは魔国の近くにある魔の森、凶暴な魔物が多くいる森である。食物連鎖、弱ければ死ぬ森にも関わらず二匹の生き物には手を出さないという鉄則を掲げた魔物たち。その生き物たちとは。
『蛇さんこんにちは!』
『こんにちは!』
「しゅるる。」
この世界に居ないであろう猫とフェレットである。名前はない。だがそれでも猫とフェレットと名乗っている。
『お肉いつもありがとうございます!』
『ありがとうございます!』
ご近所さん当然の大蛇に挨拶する二匹は早速は結界の中へ戻っていく。猫のスキル【箱庭】により出来た安全地帯である。
『今日はトマト収穫しよう!』
『おー!』
猫とフェレットは転生者である。ある日突然死亡してしまい、猫として生まれ変わった元人間。フェレットは完全肉食のはずだったのに雑食となった。どういう訳か本来の動物より長寿となっていた。だが猫とフェレットは気にせず、共に食事をしてるうちに仲良くなり姉弟となった。
そして箱庭のスキルがあると分かり、猫は箱庭スキルを使い。畑と家を作ったのだ。
『今日はなーに?』
『今日はサンドイッチだよ。』
『タマゴ!タマゴ!』
『はいはい。』
先ずは生地作りからである。自家製の小麦粉、何故か元からあったイースト菌、山から採れる綺麗な飲水を使いこねていく。ぺったんぺったん。上手にこねる。
『まーだ?』
『発酵時間があるから時間かかるよー。』
『えー。』
一次発酵、二次発酵がある為待つしかない。発酵を終えた生地をボールから取り出し成形していく。専用の鉄で出来た型に入れていく。熱したオーブンの中に入れる。
『焼き焼き〜♪』
『その間にサラダも作るね。』
『えー、やだー。』
『ヤダじゃない。』
採れたて新鮮のレタスをちぎり、採れたて新鮮のトマトをカット。その上から自家製のシーザードレッシングをかける。シーザーサラダが出来上がったのと同時に食パンも出来上がる。
『よぉし出来た!フェレットー、手を洗ってねー。』
『サラダもある…食べられるけど複雑。』
『なんか言った?』
『なんでもない!』
弟が手を洗ってるうちに猫は焼きたての食パンを取り出す。専用のパンを切る包丁で切っていく。綺麗に切れたらその上に湯掻いて皮をむいたタマゴを切っていく。細かく刻み、自家製のマヨネーズと混ぜていく。出来上がったタマゴマヨは一旦置いておいて切った食パンに自家製バターを塗る。その上からたまマヨを塗った後食パンサンドして…
『たまごサンド完成ー!』
『出来た?』
『出来たよー。』
『わーい!』
『手拭いた?』
『…拭きます。』
手をタオルで拭いた弟は席に座る。姉猫もまた席に座り二匹は手を合わせる。
『『いただきまーす!』』
『はむっ…んー!マヨがタマゴと合わさって美味しー!』
『んふー!やっぱマヨは最強!』
『姉ちゃんいつもありがとう!』
『いいのいいの。』
『お野菜今日も多く採れたね…どうしよこれ。』
山のようにある野菜を見た姉猫はため息を着いてどうしようか悩んでいた。このままでは腐ってしまう。せっかく弟と作った野菜が台無しになってしまうと。
『そうだ、物知りじいちゃんに聞こう!』
余った食パンで自家製ハムと自家製マヨを使ったハムサンドを作り、竹で作ったカゴの中にサンドイッチを詰めて山奥にある洞窟へと向かった。
『おじいちゃんー!遊びに来たよー!』
「んー?その声は…おお!猫とフェレットか!」
物知り爺さんこと古竜である。立派なお髭を生やしている長生きドラゴンは姉猫の料理の虜であった。
「今日はサンドイッチか!」
『うん!おじいちゃんの大好きなお肉を使ってるよ!』
「ふぉっふぉー!肉を使うとは分かっとる!後で食べるとして…困り事があるんじゃな?」
『私たちの庭で採れた野菜があるんだ。』
『お野菜腐っちゃう。』
「むむぅ。確かにそれは困ったのう。野菜を食べられる連中がいるわけじゃないしのう…そうじゃ!人里に行くというのはどうじゃ?!」
『え、人里あるの?!』
「魔国の辺境地にある村じゃ。そこならば売ることが出来るじゃろうて。」
『ほぇ…』
『姉ちゃん、うるってなに?』
「売るというのは魔族、獣人族、人間族、人魚族が生きる上でよく使う手段じゃ。」
『狩りはしないの?』
「するにはするがのぅ。」
『にんげんって不便。』
元人間な姉猫は複雑な気持ちで聞いていたがドラゴンじいちゃんは話を続ける。
「行くならばわしもついて行こうかのう。人になれるしわし。」
『ほんと?!じいちゃんすげー!』
「もっと褒めよ!」
『おじいちゃんいいの?』
「なぁに構わん!魔国ならば基本的に安全じゃからのう!」
こうして野菜を売るために屋台を作ることになった姉猫と弟フェレット。住み着いている小人たちの力を借りて屋台を作り上げてドラゴンじいちゃんの元に戻ってきた。荷車を押してくれる小人たちに感謝しかない。
『後で何か作るね!』
<ありがとー!>
「おお、小人たちもか。荷物はわしのアイテムボックスで入れておこうかのう。」
『お願いします!』
『します!』
「ふぉっふぉ。」
だがこの時姉猫と弟フェレット、そして物知りじいちゃんドラゴンは知らなかった。魔国では食糧難になってることを、村どころか国の救世主になるとはこの時の姉弟は知らなかったのである。
ほのぼのスローライフグルメものが好きで書きました!




