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第5話 侍女アンナの部屋


姫様の着替えを終え、部屋の掃除を済ませると、私は、さっき目を覚ました部屋に戻ってきた。



——ここ、侍女たちの部屋だったのね。


狭い室内には簡素なベッドが並び、私と同じくらいの年頃の少女たちが忙しなく出入りしている。


どうやら私は、「アンナ」という侍女になってしまったらしい。


私が仕えるのは、王家に次ぐ名門公爵家。

その一人娘が、リリア様だった。


今の私は……高校生くらいの年頃に見える。



鏡をのぞき込む。

透き通るような白い肌。

やわらかな金髪。

大きな青い瞳。


——金髪、悪くないわね。


元の世界なら、こんな髪色にする勇気なんてなかった。


咲香が見たら、きっと驚くだろう。


……いや、あの子なら案外、


「お母さん、意外と似合ってるじゃん」

なんて笑うかもしれない。


少しだけ胸が温かくなった、その時だった。


「アンナ! 何、鏡とにらめっこしてるの!!」


びくっと肩が跳ねる。


「リリア様のお食事の時間よ!!」


また、ジーナに怒鳴られた。

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