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第21話 初めての卵割り
あっという間に、卵の殻の山が出来上がった。
「たまご、うまく割れない…」
リリア様が、初めての卵割りに苦戦している。
「ちょっとくらい、からが入っても、あとでとれば大丈夫ですよ。」
「そうだ、そうだ!あの手つきをみてみろ。将来は、パティシエも夢じゃないぞ!!」
暴走する料理長をスルーしつつ、
リリア様をフォローする。
「机の角で割るより、平らなところに当てたほうがやりやすいですよ」
「…やってみる」
平らな台で挑戦すること、五回目、ついに、殻がきれいに二つに割れた。
「……!」
「きれいに割れましたね!!」
まずは第一段階、突破だ。
「オレも、リリア様がきれいに割った瞬間、見たかったな……」
夕食の仕込みを同時進行している料理長が、決定的瞬間を見逃して、うらめしげに言った。
「また、次の機会がありますって!!」
ションボリする料理長の背中を、バシーンと叩いた。




