第6話 発酵し過ぎたパン
見つけて下さりありがとうございます!!
今回はマスター視点です!
―それでは、どうぞ
知りたくなかった。聞きたくなかった。
「嘘だろ…。」
デカデカと街の掲示板に張り出された、街の朝刊を求めて人だかりが出来ていた。
◆
私は喫茶店「尾村」のマスターをしている。私は朝の澄んだ誰もいない、静かな時間に珈琲豆を挽くのが好きだ。
街に一人だけの、世界が広がる感覚が何とも言えない高揚感に包まれ、今日の日替わりランチは何にしようか…。
パンの発酵は後どれぐらいで終わるだろうか…。
などと、考えている内に香り立つ珈琲豆の香りで、意識がはっきりしだして目が覚めてくる。
今日も、いつもと変わりないルーティンを送ろうと思考を巡らせていると、妙な騒がしさが耳に入った。それに釣られるままステンドグラスであしらわれた木の扉を開き、店の外へ出た。
「魔剣士様が死んだだと!?」
「レオン様が…?」
「そ、そんな…、嘘だ!」
阿鼻叫喚。その言葉が相応しい光景だった。
泣きわめく者。その場に座り込む者。殴り合う者。皆多種多様に、皆掲示板の前に崩れ込み、抑えきれない絶望の感情を露にしていた。
それは、この街…いや、「この王国」の崩壊を暗示していた。
この国は、魔王軍の侵略により長い間、
人々の平和が脅かされてきた。
死者の数は数えることが不可能な程に上り。
ついにはこの街にも侵略が始まろうとしていた。が、その時「魔剣士レオン」が立ち上がった。
今までも何人もの人間が、『魔剣士』…
すなわち自身の魔力を剣に宿し、魔獣達と
戦う―、唯一の術を持った選ばれし人間が成せる神業だ。
そして、その全ての人間が死んでいった。
そして、レオンも死んだ。
この世界は崩壊だ、全てがお終いだ…。
人類がそう嘆いた。
頭がハッキリと目覚めた、身体中が冷たく汗ばんだ。
「この世界は、終わりだ…!」
誰がそんな事を呟いた。
顎を汗が伝う。
が、そんなこと私には心底どうでもよかった。
無意識にズボンのポケットにあるはずの無い正方形の物を求めてまさぐっていた。
マスター!!! 最後まで読んで下って嬉しいです、ありがとうございます。
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次回もまたお会いしましょう。




