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第5話 ケチャップオムライス

本当にすみません!!タイトルを書き忘れていました!大変申し訳ありませんでした。


70pvありがとうございます!!!

「尾村」はそのまま「おむら」と読みます。

―それでは、どうぞ


うまい。まじでうまい!


レストラン「尾村」のカウンターで、

俺はケチャップオムライスにがっいていた。


優しい卵の温かさと、甘いケチャップソースに、柔らかい鶏肉とコーンが混ぜ込まれたチキンライスが口の中で解れて行き、舌に味の足跡を残しながら体に染み渡る。

俺の身体の99.9%はここのオムライスで出来ていると言っても過言ではない。


マスターがカウンターにコップを取りに来たのでコーヒーを頼んだ。

白髪混じりで艶のある黒髪をオールバックにきめ、リンと佇む姿勢によく映える茶色のエプロンとワイシャツが彼の動きに合わせてシワを刻む。


昔らか変わらないな、マスター。

学生の頃もこんなふうに毎日「尾村」に来てはこれを頼んでいたなぁ…。

レオンと喧嘩した日も、怪我の手当で疲れた日も、ここのオムライスを食べるだけで疲れがとれた。今までこの街から離れて魔王討伐をしていたからこの店に来るのは学生ぶりだ。懐かしいな…。


そして最後にコトリと優しく置かれたコーヒを締めに一杯。気づけばこの一時が生き甲斐の一つになっていた。


でも、今日でこの店に来るのは最後だ。

今から一人で、無力なヒーラーの俺が魔王討伐に行くんだから。

…それに世間では「魔剣士殺し」として

顔が割れている。

だから今もこうして目深くフードを被っているわけだ。


コーヒーカップから優雅に湯気が立ち上り、ふわりと鼻をつき抜けた。

白い陶器に涼し気な顔をして詰められた角砂糖を取り出し、コーヒーにチャポンっといれる。

プカプカと浮いていた角砂糖がリボンが解けていくようにゆっくりとコーヒーの泉に溶け出した。


寂しいものだな、店に入った時「いつもの」とマスターに言い掛けたときは、正直焦ったし…。


ミルクを静かに回しかける。

深い黒色に白が彩る。少し薄まったコーヒーを底から静かにかき混ぜ、口を付ける。


…なんか釈然としねぇ


そんな思いを晴らすように、最後の一口を飲み込むと、お代を机の上に置き重たい扉を押した。

カラコロンとベルが静かに鳴った。


「いつでも待ってるよ。常連さん」


不意に、低い声が鼓膜を打った。

ふわりと、そよ風のように運ばれたマスターの声に自然と笑みがこぼれた。


覚えててくれたんだなぁ…。


頭を掻きながら、胸に上がってきた温かい感情をお釣りの代わりに飲み込んだ。

最後までお読み頂だきありがとうございました!次回はマスターの視点でお送りします。

気に入ってもらえたらブックマークお願いします!また次回お会いしましょう。

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