第86話:刹那
「アロン!」
セリーディの叫びにアロンはいち早く反応した。
アロンは背後からスケルトンが振り下ろした剣を、横に転がる事で回避する。
その直後、スケルトンに光の弾が直撃する。
破裂音と共にスケルトンは飛び散り、塵のように消えていった。
光の弾はセリーディの魔法か。
俺は素早く反応したアロンに驚いていたが、当のアロンは既に次の行動を起こしていた。
アロンが俺達の方向へ走ってくる。
さっきのスケルトンは倒した、どうして走って……
「まさかっ!」
さっきルシュが頭骨を砕いたスケルトンが起き上がっている。
「しまった!」
起き上がった二体のスケルトンは武器を振りかぶっていた。
さっきまでぎこちなく動いていたのに、まるで目的があるかのようにスムーズに行動に移っている。
動きが変わった。何かが違う。
素早く行動したアロンは一体のスケルトンに跳び蹴りを入れ、体勢を崩させる。
俺はもう一体に向かってクラブを振る。
俺が殴ろうとしたスケルトンにクラブが届くよりも早く、スケルトンが腕を振り下ろした。
直後、俺の振るクラブを受けてバラバラになる。
スケルトンが腕を振り下ろした先は、俺でも、アロンでも、ルシュでもない。
その腕から投擲された剣の先は……
「セリーディ!」
アロンが叫ぶ。
間に合わなかった。
俺も、アロンも、エルカンも、セドも、セリーディに向かって飛ぶ剣を見ていた。
セリーディは身を強張らせる。防御する魔法があったとしても、既に遅い。
そして
硬いものがぶつかる音が洞窟に響いた。




