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第85話:欺く者

 がしゃがしゃと音を立てながら、それらが俺達の前に立つ。

 その姿は、鎧を纏い剣等の武器を持った骨に見える。数は8体。


「スケルトン!?こんな所に!」


 アロンとエルカンが言葉と共に構える。

 俺はクラブを構え、後方を確認する。

 後ろには何もいない、挟み撃ちをされた訳ではないようだ。

 セドも後方を確認した様で、前方に出てくる。


「よし、ぶっ倒してやるか!」


 エルカンが踏み込む。アロンもエルカンに合わせて走る。


「左、まかせた」


 セドは俺達にそう告げると、アロンとエルカンの右側に駆ける。

 正面はアロンとエルカン、右がセドとなったので、自然と俺とルシュは左側のスケルトンを相手にする事になった。


「ルシュ、行こう、スケルトンは頭が弱点だ。

 壊せば動かなくなる」


 俺の言葉にルシュが頷く。

 そうして駆ける。

 後ろからセリーディが何かを言ったように聞こえたが、その言葉を聞き取る事は出来なかった。


「ぅおらあ!」


 気合いの入った声と共にエルカンがメイスを横薙ぎに振る。

 スケルトンはその一撃を受け、見事にバラバラになる。エルカンの陰からアロンが飛び出し、素早くスケルトンに足払いをかける。

 転んだスケルトンの頭骨にナイフを突き立て、割った。セドも同様にショートソードの一撃でスケルトンをバラバラにしていた。


 俺とルシュの前には3体のスケルトン。動きはとてもぎこちなく見える。


「くらえっ!」


 俺はクラブを右から左へ薙ぐ。

 スケルトンが右腕を前に構えるが、それごと叩き伏せ、左の壁に各骨がバラバラとなってぶつかる。

 手ごたえに違和感を覚えた。

 それを何か考える間もなく、俺の隣でルシュがもう一体のスケルトンに向かって鋼のメイスを振った。


 その一撃はスケルトンの頭骨を捉え……粉砕した。

 乾いた音が一帯に響く。


 そしてもう一体のスケルトンに向かって素早く一撃を見舞い、こちらの頭骨も破壊する。


「っ!」


 ルシュの様子を横目に見ていたアロンが驚きの表情を浮かべる。

 おそらくルシュがスケルトンを一度崩すことなく直接頭骨を破壊した事に驚いたのだろう。


 スケルトンはバラバラにしても時間が経てば復活する。

 そうなる前に、さっき倒した1体の頭骨にクラブを振り下ろす。

 少し硬かったが2度ほど叩けば問題なく割る事が出来た。


 しかし、スケルトンはもっと硬かった気がする。

 さっきのぎこちない動き、殴りつけた時の違和感……何かが引っかかるが、うまく言葉にできない。

 宿場で戦った時のスケルトンとは、何かが違う。

 その「何か」が分からないまま、頭の隅に引っかかり続けていた。


「スケルトン程度じゃ楽勝だな、物足りないぜ」


 エルカンの言葉を聞き、見渡してみると、既に他のスケルトンは倒された後だった。

 鎧や武器があったとしても、彼らの敵ではなかったようだ。


「まだ何があるか分からないんだから、気を抜いちゃいけないよ」


 アロンが釘を刺す。


 会話をしていた俺達は皆後ろを向いていたから気付いていなかった。

 アロンが頭骨を割ったはずのスケルトンが、首の無い状態で起き上がっていた事に。


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