第84話:いざ洞窟探索
俺達は洞窟の奥へ慎重に進む。
先頭はアロンとエルカン、その後ろに俺、その更に後ろにはセリーディとルシュ、最後尾にはセド。
アロンが前方を警戒し、後方から魔獣に襲われてもセドが迎え撃つ。
セリーディを守るように隊列を組んでいて、俺とルシュがその並びの中に入っている形だ。
セリーディの呼び出した明かりは洞窟の奥まで照らしているので、視界に不便する事はない。
「これ、精霊魔法?」
ルシュがセリーディに問いかける。
「そうだよ、光の精霊の力を借りているんだ」
セリーディはルシュの方を見ながら答える。
「セリーディの精霊魔法には助けられてるからね」
アロンが周囲を調べながら話す。
喋りながらでも周辺の警戒を怠っていない所は、熟練した冒険者らしい。
「魔法かっこいい……」
ルシュが羨望の眼差しでセリーディを見つめている様に見える。
以前魔力を調べた時に素質がある事が分かっているからか、ルシュは魔法に対して強い興味があるようだ。
「ルシュにもきっとそのうち魔法が使えるようになるよ」
セリーディの言葉にルシュが頷く。その様子を見ながら、ルシュが魔法を使えるようになった時の事を俺は少し想像した。
今でも十分すぎるほど強いが、魔法が加わったらどうなるのだろうか。
その時のルシュがどんな顔をするか、なんとなく目に浮かぶ気がした。
きっと、嬉しそうにしているだろう。
そんな調子で洞窟を奥へ進む。途中で道が分かれている場所が何箇所かあったが、基本的に一番広い道を選んでいく。
壁に傷を付けたり石を並べたりする事で目印を残しながら進んだ。
一時間以上は進んだだろうか、洞窟の様子が少し変わる。
「これは……」
アロンが壁際に移動し、その場にしゃがみこむ。
俺達はアロンの様子をその場から眺める。何かを調べているようだ。
暫くしてからアロンがこちらに戻ってくる。
「どうした?アロン」
エルカンの言葉にアロンが口を開く。
「この辺りからは何者かの手が入った、人工的な洞窟になっていると思う」
「人工的?」
俺が聞き返す。
「洞窟そのものの形もそうだけど、壁も掘られたような跡がある。
ただ、崩れたような跡もあるから、相当昔に掘られたんだろうね」
言われてみれば確かにそうだ。
これまでは穴の大きさがまちまちに広がっていたが、ここから奥は幅が10メートル程度の半円がずっと続いているようだった。
人工的な洞窟、どうしてこんなところに。
誰かがここを掘り進んだとすれば、何らかの目的があったはずだ。
この洞窟がつい最近発見されたという事も含めて、妙な引っかかりを感じる。
なんとなく、背筋のあたりが落ち着かない感覚があった。
俺が考えていると、
「魔力を感じる、注意して」
唐突にセリーディが口を開く。
その言葉の後、俺達の前に幾つかの影が立ちはだかった。




