第67話:魔法について
ガワの討伐から数日後。
魔獣討伐は毎日受けられるようなものではなく、体力的にも少々きつい。
俺とルシュはマーテン内の掃除や荷物運び等、雑多な仕事をこなしながら生活していた。
そんなある日、ギルドの受付にて。
「お二人は魔法は使えますか?」
モアさんに尋ねられる。
「魔法ですか?」
「魔法?」
俺とルシュが同時に口を開く。魔法は村長が使っていた。
俺は使えないと思うが、ルシュはどうなのだろうか。
ルシュを見ると、不思議そうな顔をしている。多分使えない様な気がするが……。
「今、冒険者の魔術師向けのワリの良い仕事があるんですよ。マーテンの街灯の灯の魔道具に魔力を込めていく作業なんですが……」
マーテンのインフラの一つである街灯は、全体の何割かが魔道具の灯りで、定期的に魔力を補充する事でまた灯りを点けていくらしい。
基本的には街に駐屯している国の魔術師が請け負う事が多いが、まずは冒険者向けに依頼が出されるとの事だ。
「……と言う事ですが、人族と魔人は魔法が使える方も多いのでもしかしたらと思って」
ルシュは竜族なので実際どうかは分からないが、人族も魔法が使えるケースがあるのか。
「うーん、どうなんだろう」
多分使えないとは思うが、試したこともないので確信はない。
「もしかして魔法が使えるかどうか分からない感じでしょうか」
モアさんはそう言って何かをカウンターの上に出し、ペンを取る。
「もし興味があれば、この魔道具屋に行ってみてはいかがですか?
ここでは魔法の素質を見る事もできますよ」
モアさんが簡単な地図と店名を書いた紙片を差し出してくる。
「素質があってもすぐに魔法を使うのは難しいですけどね」
「ありがとうございます、モアさん」
紙片を受け取ると、ルシュが口を開く。
「行ってみよう、ヨウヘイ」
ルシュの興味をそそったようだ。確かに気になるのは俺も同じだった。
もし魔法が使えるなら、シャグのような相手に全く手が出ないという状況は変わるかもしれない。
「そうだな」
手を振りながら見送るモアさんを背に、俺とルシュは魔道具屋に向かった。




