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第41話:ただのガラクタじゃなかった

 テオックの倉庫に戻り、道具を入れている袋をまさぐった。


「……これだ!」


 再びメラニーの家に走る。


 メラニーはルシュの隣に座ってルシュをなだめている様だった。

 俺の姿を確認したメラニーが近づいてくる。


「急いでどうかしたの?」


 尋ねてくるメラニーに、俺は倉庫から持ってきたものを見せた。


 10センチ四方ほどの薄型の金属製プレートに、濁った欠けた球体の石が収まった物だ。


 それを見たメラニーが目を細める。


「これは……見せていただけますか?」


 俺はメラニーにプレートを手渡す。メラニーの異変に気付いたルシュがこちらに近づいてきた。

 ルシュもプレートをじっと見ている。

 何か感じるところがあるのだろうか。


 プレートをじっと見ていたメラニーが俺の方に向きなおして尋ねる。


「ヨウヘイ……どこでこれを?」


「えーと……」


 ***


 以前、メラニーへのプレゼントを作るためにピウリから裁縫道具と布生地と綿を購入した時の事だ。


「はいこれサービスね」


 と、ピウリが何かを手渡してくる。


「これは?」


 手渡された物を見てみる。

 大きさは10センチ四方ほどの薄型のプレートで、暗く灰みがかった黄緑色をしていて、持つとひんやりとして重みを感じる。

 恐らく金属製だろう。


 目を引くのは中央にある丸い石で、濁った色をして少し欠けている。

 さらにプレートには模様のような溝が彫られていて、幾何学模様のように見えるが特に規則性は見当たらない。


 ちょっとしたアクセサリーにも見えるが……


「村長には手作りの物をプレゼントしようと思ってるんだけど」


 俺の言葉にピウリは、


「別にそういう意味で渡したんじゃないんだよー、本当にただのおまけー」


「どうしてまた……」


 プレートに目を落とす。相当な年季が入っているようで、プレートの角は取れて丸みを帯びていて、溝も所々擦り切れて消えかかっている箇所がある。

 中央の石の欠けもそうだが、損傷どころか風化すらしているような気がした。


「もしかしてこれガラクタじゃ……」


 ピウリが慌てて、


「いやいやいや、これはもう珍しいものだよー。

 まあ確かにアンティークとしてもちょーっと使いにくいかなーってのはあるけど」


 そして俺の手からプレートを摘みあげ、


「ほら、この中央の石とかなんかちょっと不思議な感じするでしょー?

 調べてもらったんだけど、魔道具だったんじゃないかって。高く売れるかもよー?」


 魔道具の話は一先ず置いておいて、その中央の石も欠けているじゃないか。


「高く売れるならあんたがとっくに売ってるだろう?」


 俺のツッコミに対してピウリはアハハと笑いながらプレートを再び俺の手に戻し、


「まあまあ、お土産みたいな物だと思って貰っておいてよ。

 あっても困らないでしょー?」


 まあ、あっても困る物ではないのは事実か。


「うーん確かに、ありがとうピウリ」


「どういたしましてー」


 そのピウリの笑顔を見て確信した。これは体よくガラクタを押し付けられたな……。


 ***


 あの時の光景を思い出す。


「ピウリから貰ったんです」


「ピウリさんですか、確かに彼女からなら頷けますね」


 俺の言葉にメラニーが納得した様子で言う。

 ピウリとのやりとりが目に浮かぶような返事だった。


「それで、どうでしょうか?

 ピウリは魔道具だったって言ってました」


 メラニーは少し間を置いてから答える。


「そうですね、恐らくですが、魔道具としては何の魔力も込められていない未完成品……そしてかなり古い物ですね。

 ですが、恐らく大丈夫だと思います」


「本当ですか!?」


 俺の言葉にメラニーは優しい笑みを浮かべた。


「ええ、少し時間をください。

 何とかしてみるので、二人は外で待っていて貰えるかしら?」


 俺とルシュが目を合わせる。


「やったなルシュ!」


「うん!」


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